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ダンボールでまちづくり

コミュニティデザインの時代 - 自分たちで「まち」をつくる (中公新書)

コミュニティデザインの時代 - 自分たちで「まち」をつくる (中公新書)

そもそも、まちは住民たちが話し合ってつくってきたものだということを理解してもらうためのワークショップをやることがある。行政も警察も消防も、必要だと思うから住民たちが話し合ってつくってきた仕組みである。そのことを、子どもたちが遊ぶワークショップから理解してもらうのである。
「まちをつくるワークショップ」と題したワークショップには、小学校の高学年の子どもたち100人と保護者が参加する。会場となる体育館の真ん中には、スーパーマーケットなどでもらってきたダンボールや梱包材などを山積みにしておく。100人の子どもたちは10人ずつのチームをつくって、自分たちがつくりたい家について話し合う。大人たちは体育館の壁にもたれて子どもたちの作業を見守る。10人のチームでどんな家をつくりたいか決めたら、体育館の真ん中に積んである材料でそれぞれのチームが家をつくり始める。
子どもたちはどんどん家を広げていくので、隣の家との敷地境界をめぐってトラブルが起きる。そうすると、敷地境界について話し合うメンバーを各チームから一人ずつ出す。無計画に家を広げていくと、隣の家へのアプローチがなくなって出入りできなくなることもある。そうすると文句が出てくる。こうした揉め事を収めるための人が必要になる。中央に置かれた材料がなくなると、隣の家の壁を剥がして材料を確保しようとする子どもも出てくる。ここでまた文句が出る。そういうことが起きないように見回る人をそれぞれのリームから出そうという話になる。ルールをつくろうという話になる。材料を交換できるような場所をつくろうという意見も出る。
こうして生まれてきたのがまちの仕組みである。警察であり、裁判所であり、市場であり、制度であり、道路であり、広場であり、市長である。自分たちが家をつくり、そこからまちをつくり、必要だから役割やルールをつくってきた。「つまり、まちはみなさんが生み出したものなのです。まちのことは私たちに関係ない、役所に任せておけばいいというわけではないのです」と子どもたちに伝える。もちろん、本当にそのことを伝えたいのは子どもではなく、周りでその様子を見ている大人たちだ。
(pp.51-52)

上の話を,教育の観点でみると,一つの活動(ワークショップ)で子どもたちが身をもって,ルールを作り守ることの大切さを学ぶとともに,家の外のことは役所にお任せ,教育のことは先生にお任せ,といった意識をもつ大人たちにも,変革を促すものであり,「一粒で二度おいしい」を目指したワークショップであるように感じました.
本から離れて,思い浮かんだ単語は「自助」「公助」です.役所といえば,公助です.それから「共助」もあったかな.といったところで検索…

Q.
自助・共助・公助とは何ですか?
A.
「自助」とは、家庭で日頃から災害に備えたり、災害時には事前に避難したりするなど、自分で守る事を言う。
「共助」とは、地域の災害時要援護者の避難に協力したり、地域の方々と消火活動を行うなど、周りの人たちと助け合うことを言います。
「公助」とは、市役所や消防・警察による救助活動や支援物資の提供など、公的支援のことを言います。
災害時には、自助・共助・公助が互いに連携し一体となることで、被害を最小限にできるとともに、早期の復旧・復興につながるものとなります。

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5.自助,共助,公助の対策に関する意識について
(1) 重点を置くべき防災対策(自助,共助,公助)

 災害が発生した時にその被害を軽減するために取る対応について,国や地方公共団体による「公助」,地域の住民やボランティア,企業などの連携による「共助」,自ら身を守る「自助」というものがあるが,災害発生時に取るべき対応として,最も近いものを聞いたところ,「公助に重点を置いた対応をすべきである」と答えた者の割合が8.3%,「共助に重点を置いた対応をすべきである」と答えた者の割合が10.6%,「自助に重点を置いた対応をすべきである」と答えた者の割合が21.7%,「公助,共助,自助のバランスが取れた対応をすべきである」と答えた者の割合が56.3%となっている。
 前回の調査結果(平成14年9月調査結果をいう)と比較して見ると,「共助に重点を置いた対応をすべきである」(14.0%→10.6%)と答えた者の割合が低下し,「自助に重点を置いた対応をすべきである」(18.6%→21.7%),「公助,共助,自助のバランスが取れた対応をすべきである」(37.4%→56.3%)と答えた者の割合が上昇している。

http://www8.cao.go.jp/survey/h25/h25-bousai/2-5.html

検索結果を見たところ,「自助・共助・公助」という順序で広く知られていて,しかも防災の用語でしたか.コミュニティデザインとは,ちょっと方向が違ってきますね.