「パパ,おはよう」
「おはようさん,うえの子に,さきの子か」
「おえかきしたい」
「あいよあいよ.紙と,お,机の上に色鉛筆があるやないか」
「さきの子よ,シャーペンは使わん方がええぞ.ノックて,できるか?」
「ぱぱ,でぇへんようになった…」
「せやろせやろ.使い方,難しいんやそれはな.こっち(色鉛筆)にしなさい」
「パパは,パソコンに向かって仕事してるんで,何かあったら言うてや」
「ねえねえパパ,さきのこちゃんね,にぃかけたで!」
「んあ? かけたんか? にぃをかけたら,なんぼになった?」
「パパなにいってんのん,ちゃうでぇ」
「ほな何をしたんな.見せてもらおか…ああ,2の字が書けたんか(3歳児がかけ算したんかと思たゎ)」
「できた!」
「これで出来上がりか」
「このこも,べんきょうしてんねんな?」
「そうなるんかなあ.まあさきの子にとって,数を理解する第一歩やな」
「パパ,かずってなに?」
「数っちゅうのはやな…」
「パパいわんといて!」
「ん? そこでさきの子がさえぎるんか」
「ここがゴールやねん」
「んむ? 絵ぇのここがかいな」
「パパ,なんもいったらあかん!」
「あーはいはい.ほな,うえの子に言うぞ,いち,にぃ,さん,…ってのが一つひとつ,『数』に当たるわけや」
「それやったら,これの(自分の絵にある○を指して),いち,にぃ,さん,しぃ,ってのがかずなん?」
「せや.よおわかっとるやないか」