「ほな,うえの子ちゃんとあとの子ちゃん,頼んだで」
「よっしゃ」
「あたしもいっしょにいく」
「あなたはここで待ってなさい」
「はあい」
「えらい素直やな」
「ママどこいったん?」
「んま,ちょっと買い物やな.その間に…」
「アナ雪かけて!」
「あれなあ,準備が面倒やねん.代わりにやな,昨日まで行ってきた先の写真を,なんぼか,見せたろか」
「みせて!」
「よっしゃよっしゃ.すえの子も一緒に見るか.…まずはこれやな」
「なにこれ?」
「東京駅の地下でな,撮ったんやが」
「…」
「これ(左下を指して),ミッフィーな」
「あ,ミッフィーや!」
「他にもな,ポケモンストアとか,NHKやらフジテレビやら各放送局のな,キャラクターグッズが売られててやな」
「…」
「家のテーブルの上に,はなかっぱの巾着を置いてたやろ」
「みてへん」
「おうちに帰ったら,見とき.あれも,ここで買うたんや」
「へえ.こんどつれてって」
「連れてってってか…せやけど車では,ちょっと,東京駅の地下には行きにくいなあ」
「ふうん」
「次の写真は…ほいっと」
「なんなん?」
「下の形,どっかで見たことないか?」
「えっと…」
「国道な」
「こくどう?」
「おうちから,ここまで走ってた中でも,目ぇにしたんやけどなあ」
「わからん」
「あ,車の中やないで,外やで.こんな,三角形に近い形のマークがあってやな」
「…」
「中に数字が書かれてて,国道何号線ってな.それで,今自分がどこを走ってるかってのが分かるようになってんのや」
「これ,こくどうなん?」
「んでこれやけど,国道ではないねん.パパが行ってきた,筑波大学で,見かけたんや」
「へえ」
「これやったら,B棟っちゅう建物の3階に今いますよって意味になってな」
「うん」
「んで,上の掲示はやな,階段で4階に行ったら,1.5キロカロリ…んまあ,健康にええっちゅう意味や」
「パパ,階段つこたん?」
「せや.1階分くらいやったらな」
「なんかおもしろいなあ」
「お,面白いと思てくれたか.最後な」
「つくばエキスプレスの秋葉原駅でな,エレベータに乗ったら,地下1階の次は地下4階やってんで…とパパだけ興奮してたらママ戻ってきたな.ほな次の目的地へ行こか」