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4月1日のこわい話

「再来年の春に卒業して就職する学生さんらの,就職活動のスケジュールが,大幅に変わります.
具体的には,大手企業の選考が,8月1日からになるんだそうです.これまでは,4月からでしたので,『後ろ倒し』とも呼ばれます.
来年は来年として…
4月1日に,何を開始したと思いますか?
その日から説明会をします,筆記や1次面接があります…なんてわけではありません.
説明会も筆記も面接も,それより前にやっているのが当たり前です.
じゃあ4月1日に何をするのかというと,最終面接です.
社長や役員が立ち会うような.
そしてその日のうちに内定通知が出ます.
ここで登場するのが,ある企業さん.そこも倫理憲章や同業社のやり方に外れることなく,4月1日に最終面接をしようかと思ったところに…
そうなんです,4月1日といえば,入社式があるのです.

社長は,入社式とその面接のどちらに時間を出席すべきか? となりまして,結局,1日は入社式,その次の日に最終面接,というスケジュールが組まれました.

最終面接の対象者は5名.事前にその中で3名,『採りたい』と考えていた学生がありました.
1日の晩のことです.
その3名から,人事部に相次いで電話がありました.“今日面接した企業から内定をもらったので,申し訳ありませんが,御社の採用選考を辞退させていただきたい”と.
その企業さんにとっては,まさに悪夢の出来事でした.
その次の年,4月1日に最終面接をしたか,もっと前倒しで採用スケジュールを組んだかは,定かでありません」

なにこれ

某所で聞いた,大学教員向けの就職説明会*1で,一番インパクトを覚えたエピソードを,当ブログのスタイルで書いてみました.
「後ろ倒し」に関しては,以下のページも参照しました.

政府要請による2016年卒からの採用時期変更は2013年4月19日の首相による経済3団体への要請に端を発しています。そこで、「広報活動開始」は3月1日以降、「選考活動開始」は8月1日以降とするよう要請があり、それを受けた日本経済団体連合会*2がこれまで実施していた「採用選考に関する企業の倫理憲章」を改め、同年9月13日に「採用選考に関する指針」を発表しました。(略)

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4月1日のこわい話に,ツッコミを入れるとすれば,「入社式も最終面接も,同じ日に時間をずらして実施すればいいのでは?」だと思います*3.最終面接の対象者が5名ということは,新入社員の数も大差なく,時間的にも問題なさそうです.
とはいえ,説明会で企業名が出なかったですし,聞く我々だって,1日違いで大違いとなるようなスケジュール設定や選考をしようというわけではありません.
この件から,大学教員や大学生として学ぶべきことは,日付を大事にすることだと思います.結果的に,「4月2日に最終面接をします」という通知は,「4月1日に他社の採用面接を受けていいですよ」という暗黙のメッセージを送っているわけです.
研究室活動にも,応用できます.先生から「○月○日にこれこれをしてもらいますのでよろしく」という指示をもらったら,「○月○日にする」のではなく,それより前にしておくべきことを洗い出してから,他にすべきことと調整し,活動してほしいものです.
ところで本日は,学科の3年配属行事があります.朝9時が第1希望の締切で,当研究室の希望者と10時に面接をすることは,すでに学生に周知されています.
1時間のあいだに,希望を出してくれた学生について自担当科目の成績や答案を見直して,どんな学生だったかを少しでも思い出すようにします.

(最終更新:2014-09-30 朝)

*1:大学教員の採用・転職のためではなく,所属する学生の就職状況や今後の採用スケジュールなどを周知するために企画された説明会です.

*2:原文の「(以下〜)」は引用にあたりすべて削除しました.

*3:読み直して,もう一つ,ツッコミが入れられるのに気づきました.「これ,今年の出来事?」です.今年の出来事ではないと分かるのは,話の最後の文(「その次の年…」)になります.修正も難しいので,そのままにします.