いきなりですが問題です.
さっそくですが解答です.何通りもありますが,次の3つが基本形になります.
最初のは,縦に切って2分割したうちの1つ,2番目のは,横に切って2分割したうちの1つです.3番目のは,3×4=12と求めてもかまいませんが,横の長さはもとの,縦の長さはもとのなので,つくった長方形の面積=もとの長方形の面積=もとの長方形の面積 と書けば,小学校の分数のかけ算と関連づけることもできます.
他の図形にしましょう.さらにですが問題です.
正方形ですね…いえいえ,これはつくれません.というのも,ちょうど半分の面積にするには,1辺の長さをにしないといけないからです.この点の並び(正方格子)では,どの2点をとっても,その長さにできないことは,次のワンライナーで確認できます.
$ ruby -e 'puts (0..6).to_a.map{|x| (0..4).to_a.map{|y| x*x+y*y}}.flatten.sort.uniq.join(",")'
0,1,2,4,5,8,9,10,13,16,17,18,20,25,26,29,32,34,36,37,40,41,45,52
「0,1,2,…」の行では,原点と格子点(x,y)との距離の2乗として取り得る値を,小さい値から順に出力しています.3や12が出力に現れないのは,どの2点を選んでも,その距離を,最も近い2点間の距離の倍や倍にできないことを意味します.
そこで条件を緩めてみます.
(x,y)の一方の座標は整数でなくてもよいとすれば,作図が可能になります.その前に,少しばかり計算をしておきます.4点(0,a),(b,0),(4,b),(a,4)を結んで,正方形をつくることとします.座標の条件より,1辺の長さよりであり,これらを解いて(a<bとして),,を得ます.正方形は次のとおりです.
作図も,コンパスと定規があればできます.
(2,2)と(3,1)の距離を,コンパスで測り取って,その長さを,(2,0)から右に向ければ,(b,0)が求められます.残りの頂点も同様です.
本日の元ネタです.
山本良和のすべての子どもの心に響く算数授業づくりのコツ (算数授業研究特別号)
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これも東京で…ではなくて,関西に戻ってから書店で購入しました.「算数授業研究」の新刊は見当たらず,代わりに手に取った中に,いろいろ作図*1したり条件を緩めたり,あれこれ考えることのできる問題を見かけたのでした.
なお,本文では,この吹き出しの数行あとに「三角形,直角三角形,二等辺三角形,長方形,正方形,台形,ひし形…」と図形の候補が列挙され,次のページでは,「だから,会話の内容に当てはまる可能性があるのは,三角形,二等辺三角形,長方形(切り方によって),台形(切り方によって),平行四辺形,ひし形ということになる(ただし,階段のような形は除く)。」で段落を終えています.
もう一つ関連:
(最終更新:2015-03-17 朝.面積が12となる正方形の作図を差し替えました)