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情報セキュリティの暗号解読課題と小テスト問題

先週金曜日の授業のあと,授業ページを更新しました.
毎年恒例の暗号解読問題*1では,坂口安吾『アンゴウ』(http://www.aozora.gr.jp/cards/001095/files/42837_23711.html)を使いました.具体的には以下の箇所です.

二人にとっては暗号遊びのたのしい台本であったから、火急の際にも、必死に持ちだして防空壕へ投げいれたのに相違ない。自分たちの本を使わずに、父の蔵書の特別むつかしそうな大型の本を選んでいるのも、そこに暗号という重大なる秘密の権威が要求されたからであったに相違ない。
その暗号をタカ子のものと思い違えていたことは、今となっては滑稽であるが、戦争の劫火をくゞり、他の一切が燃え失せたときに、暗号のみが遂に父の目にふれたというこの事実には、やっぱりそこに一つの激しい執念がはたらいているとしか矢島には思うことができなかった。
子供たちが、一言の別辞を父に語ろうと祈っているその一念が、暗号の紙にこもっている、そう考えることが不合理であろうか。

受講者のみんなが,セキュリティの専門家になるわけではありません.ですが,配属後の研究室の活動や,職につき業として行う仕事,日常の頼まれごとなどを通じて,単にタスクをこなすだけでなく,そのタスクを通して伺い知ることのできる,その場にいない人々の営みに,思いを馳せることがあってもいいと思っています.その知見は,論文を書く際にも,「考察」や「背景」の形で現れてきます.
話は替わって,小テストの問題です.

RSA」は,人物名の頭文字を組み合わせたものである.同様の例を1つ挙げなさい.

計算機に関わる話で,真っ先に思い浮かんでほしいのは,AWKです.Aho,Weinberger,Kernighan (wikipedia:en:AWK)の3人の名前の頭文字です.
ただし,情報分野に制限するつもりはなく,これまでも日常生活の例を問うてきましたし,何でもありと考えていました.出題に際して,「シャ乱Q」「津田沼」くらいを下調べしていました.
提出された答案を見ると,K A T − T U N の 圧 勝 で し た.
用意した答え,および見かけた答案について,Wikipediaエントリを並べることにします.

*1:日本語の文章の一節を,訓令式ローマ字に変換してから,単一換字暗号で暗号化し,ヒントとともに提示しています.