「あれ,うえの子は?」
「まだ寝てるねん.起こしちゃってくれる?」
「あいよ…」
「うえの子よ,もうええ時間やぞ.今日は授業参観やろ?」
「無反応かいな.ほなまあ,布団をあげとこか.4人の子ぉが,布団をむっちゃっくちゃにしてくれんねんな.…」
「おっと,こんなところにトランプのカードが1枚.スペードのジャックや」
「…」
「うえの子よ.目ぇ開いたか」
「おはようさん.このマーク,何かわかるか?」
「…わからん」
「スペードっちゅうんや.刀を意味するんやで」
「…」
「ほな,これは?(指でハートの形を描く)」
「…わからん」
「寝起きか.ハートや.心やな.次は,これは?(指で縦長のひし形を描く)」
「…ダイヤ」
「おう,正解や! ダイヤな.もともとはお金とか,財宝なんやな」
「…」
「最後に一つ.これは?(指でトランプのクラブの形を描く)」
「…わからん」
「わかりにくかったか.クラブっちゅうねん」
「…」
「棍棒やで.スペードと同じで,武器なんや」
「…ぶき?」
「お!? 武器っちゅうのは,戦うときの道具や.その中で棍棒っちゅうのは…棒なんやけど,持ち手と反対の端っこに,トゲトゲなんかがあって,当たったら痛いんやぞ!」
「…それって,ももたろうのおにがもってるんやろ」
「ああ,そんなんそんなん」
「クラブは,クローバーとか,人によっては三つ葉とか呼んだりするけどな」
「三つばやったらしってる」
「三つ葉のほうがわかりやすいか.三つ葉とか,四つ葉のクローバーって言うたりするもんなあ」
「…」
「お前,ちゃあんと頭が回っとるやないか.ほな起きよか」
「ねるぅ(掛け布団で頭を隠す)」
とはいえ,自分が今のうえの子と同じ年くらいのときは,「クラブ」ではなく「クローバー」と呼んでいました.
今年になって,どなたかが,場内アナウンスで「クラブの7」と言い,へえ,クローバーではなくクラブなんだ,と思っていると,次に「三つ葉の7」と言っていまして,より多くの人に伝わるためには,そんな言い換えをするんだと,心の中で驚いたこともあります.
この記事を作るにあたり,wikipedia:クラブ_(シンボル)を起点に,トランプ関連の情報を読んでいきました.スペードが木の葉に対応づけられたりすること,お寺なんかでたまに見かけるハートマークは猪目(いのめ)と呼ぶことを知りました.それとスペード・ハート・ダイヤ・クラブを表すUnicodeの文字の数は,ハートが突出して多かったのも,面白いところです.