2月は学生指導や成績報告,研究会開催や来月の発表準備など,いろいろすることがありますが,本業をこなしつつ,昨年秋に書いた組体操関連のRubyスクリプトとExcelファイルも,時間をとって整備をしていきたいと考えています.テストコードをつけ,GitHubに登録して,gem installで手軽にインストールできるようにするのが,さしあたりの目標ですが,まずは勉強のやり直しからです.
コーディングとは別で,組体操関連の古い情報源を探してみると,マーケットプレイスで以下の本が購入できることを知りました.

- 作者: 浜田靖一
- 出版社/メーカー: 泰流社
- 発売日: 1972
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ぱらぱらめくると,イラストの大部分は2〜3人で行う技です*1.飛んだりするのもありますが,「高さ」は見られません.
先頭に戻って解説を読んでいくと,組体操と,そうでないものについて,説明がありました(p.17).
組体操の性格
組体操と組立体操(運動)とは言葉の上からもよく似た運動である。同じだと考えている人や,同じような範疇に入れて取扱っているいる人もある。しかし私は昔から別なものとして扱っている。その方が指導の上からも,教材を系統的に考えていく上からもよいからである。
組立運動はスタントピラミッド(STUNT PYRA*2 MID)とかピラミッドビルディング(PYRAMID BUILDING)とか呼ばれて,学校教育の中では運動会や体操発表会などで,かなり昔から親しまれ,よろこばれてきた種目である。
この本で扱う組体操の方は徒手体操の中で,1人で行なうよりも2人,またはそれ以上の人数の人達が組んで力を貸しあったり,重さや抵抗を与えあったりして効果をあげようとする方法で,組立運動のように表現的ではないが,かなり面白くこれも昔からちょくちょく行なわれていたものではある。ただし最近,健康づくりや基礎体力の問題が体育界やスポーツ界で問題にされ,その一つの方法としてウエ−トトレーニングが注目されて,東京オリンピック大会前の日本のトレーニングの時代をつくった。同時に器具を使わないウエートトレーニングの方法として,この組体操が新しく脚光を浴びたのである。
私は特別ウエートトレーニングとして器具の代わりに組体操をやっていたわけではなく,徒手体操の中の一つの方法として従来やっていたが,たまたまこうした流行的な風潮や欲求と合致したわけか,非常によろこばれている。
今でいう人間ピラミッドは,この本の分類によると「組立体操」あるいは「組立運動」であり,「組体操」とは別だというのです.
ネット上の情報と照合したところと,wikipedia:組体操の「呼称」の第1段落に,「ピラミッドビルディング」という表記とともに,名称の変化が書かれていました.人名にも「浜田精一」とあり…あれれ違うぞ,T.m.930でログインし,「浜田靖一」に変更しておきました.
とはいえ運動会の演目としては,各児童生徒がきちんと並んで実施する1人技から始まり,2人技,3人技,数人技,そして演者が一丸となって1つの形をつくるという展開までを,1個の「組体操」とみなすのが,自然だよなあとも思います.
人物名*3を探す中で,また別の驚きがありました.
カワイ体育教室42年浜松に誕生した時に指導書づくりや講師教育等でご尽力いただきました
カワイ体育教室 - カワイ体育教室顧問 浜田靖一先生(故人)のご紹介... | Facebook
スポーツ挿絵でも有名で、その技術を生かしていただき、機関紙KAWAIの表紙イラストも担当していただきました
『改訂組体操』『続組体操』を見直したところ,それぞれ100以上収録されているイラストを,誰がつくったかが書かれていません.
上のことから,著者自身でしょうね.スポーツにに携わりながら,多彩で実用的な人物画を手がけられるのに,驚いたのでした.いや人をたくさん見てきたからこそ,成し遂げられたのでしょうか….