わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

組体操の市販本?

リード文に見られる日付(2016年04月01日)から,https://www.youtube.com/watch?v=tzXCAHdvkOMを思い出しました.この内容を,文字にしたものと思われます.
自分の組体操への関心と照らし合わせて,最も気になったのは,次の発言です.

内田 先生が素人であるのは悪いことではないのですが、市販されている本で、組体操の指導書ってたくさん出ているんですね。楽しそうな本が。その本を買ってきて、これならできるなと思ってやってしまうわけです。実際にこれまで出版されてきた本が安全のためにページを割いているかというと全然違います。さまざまな技を紹介していって、最後には巨大な技が待っているというものです。

「市販されている本」を目にして,スクロールする手が止まりました.
2つの方向で,書棚を調べ直しました.『教育という病』の組体操の章の中で,市販本が明示されていたはずです.読んでいくと,次の本が入っていました.

子どもも観客も感動する! 「組体操」絶対成功の指導BOOK

子どもも観客も感動する! 「組体操」絶対成功の指導BOOK

もう一つの方向というのは,具体的な書籍を挙げずに「市販されている本」とし,かつネガティブに扱っている記述です.組体操の伝言ゲーム〜サボテン,平均を取りまとめる際,細川暁子氏の記事(組体操事故を追いかけて)で読んでいました.以下の箇所です(体育科教育 2016年 05 月号 [雑誌], p.23).

タワーは近年運動会や体育祭で流行傾向にあり、最大で高さ4m超の5段まで実施されている。だが、本誌にも寄稿されている日本体育大学体操研究室の荒木達雄教授は「タワーの間違った指導法が広がっている」と指摘。ネットや市販の解説本では、下段の人が背中を丸めて肩を組むイラストや写真が散見されるが、背中を伸ばして方を組んだ方が安定するという。(以下略)

サボテンの件と同様で,内田氏・細川氏が荒木教授の指導を受けたり,座談会ほかで意見交換をしたりする中で,荒木教授が「市販の解説本では…」とおっしゃった*1のを受けて,それぞれ文字にし,ラジオで話したのだろうと想像します.
ラジオ番組や雑誌記事の時間・紙面の制限を考慮すると,具体的な本をいくつも出して,これはダメあれもダメと批判するのが,適切でないのは,理解できます.
それでは,組体操の既刊本で,安全性にどのくらいページをとって解説しているかだとか,タワーの組み方がどうなっているかだとかを,調査・整理しているところが,あるでしょうか.なければ誰か(研究者? ブロガー? ツイッタラー?)が公開するまで,待たないといけないのでしょうか?
思い出しました.当ブログで,整理を試みたことがありました…これです:「安全な組体操」の情報整理
安全性は,自分なりにもう少し調査したいのですが,タワーは,関心が持てません.
ともあれ,リリースした瞬間に注目を集めることを目指すのではなく,検索で当ブログの記事を見つけてもらい,新たな探索につなげられるよう,引き続き,書籍・雑誌・論文などの情報提供をしていくとします.


「内田良准教授」「安全性」「タワー」「市販本」の組み合わせで,思い浮かぶページがあります.

「安全性を追求した3段タワー」が,イラストつきで紹介されています.
この記事には「市販」という言葉が出現しません.いくつかの本には,5人や9人で構成する類似形は載っていますが,下段が2人×左右,中段が1人×左右,そして正面を向く上段1人という,7人による構成は,自分の手元にある市販本には見当たらないのです.
「安全性を追求した3段タワー」を実施した事例(YouTube動画を含め)も,負傷した事例も,見聞きしたことがありません.ケガ発生率は0分の0…いえいえそんな.

*1:『体操教本』http://www.nittai.ac.jp/department/gymnastics/index-page.htmlは「市販本」ではない,と解釈すれば,話の筋が通っています.