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修士論文を審査しました,査読しました,査読してもらいました

本日,知能科学クラスタ修士論文発表会を開催しました.2会場に分かれて10名ずつ,合計20名が発表しました.
このクラスタは開設して1年目です.発表した学生は全員,前年度は異なるクラスタに所属し,いわば移籍して来たわけです.教員とマスターコースの学生,合わせて50名のゼミにおいて,資料作成とプレゼンを数回実施し,そのつど指導を受け,修士論文の提出・発表へと至っています.
クラスタ」について補足しておきます.これは,研究科の中のグループです.1研究科・1専攻の中に,今年度であれば9つのクラスタがあります.わりと頻繁に,クラスタの作り替えや,教員所属の変更がなされています.
今年度,クラスタ主任の教授の先生より指名があり,私は「ゼミ担当」を務めました.主任と自分とは,前の2年間,同じクラスタでしたので,ゼミと修士論文関連は,そこで実施されていた方法を採用し,他の教員そして学生に理解を求めながら,進めていきました.
修士論文の査読制度も,前にいたクラスタからの継続です.各学生が,修士論文クラスタ主任の先生に提出したら,その紙媒体が,クラスタ内で指導教員でない先生に送られます.
その先生(査読者)は論文を読み,1週間以内に査読コメントをつけて,学生に論文を返却します.
学生はコメントをもとに論文を修正し,提出からちょうど2週間後の修士論文発表会に持参します(発表において教員間で回覧されます).修正版では,どんなコメントがあり,そこで論文をどのように改訂したかについての回答も,末尾に添付します.
やっていることは,論文投稿時の査読プロセスと似ています.研究室外のチェックが入ることで,論文の質も向上したと思います.ただし提出から再提出まで2週間と短く,修正意見に対してすべて対応していなければリジェクト(不合格)とするわけにいかないなど,違いもあります.
さて自分の仕事ですが,提出予定学生20名を2つの会場に割り振ること,教員も均等に割り当てること,そして査読者のアサイ*1を行いました.Excelと格闘して案を作成し,事前に先生方より了承を得ました.
査読者が誰であるかは事前に伝えず,論文を返却する段階で査読者から学生本人に知らせることにしました.そして学生のメールアドレスを,クラスタとして管理していなかったので,紙媒体としての修士論文提出の1週間ほど前に,氏名・和英題目と合わせて,メールアドレスを,ゼミ担当に送ってもらいました(題目は,発表会プログラムの作成に使用しました).
教員1人あたりの査読論文数はというと,提出数÷教員数が2未満ということもあり,1つか2つです.修士論文提出学生を多く指導する教員は,査読の数を1としました.
学生にとっては一度限りのことですが,教員にとっては毎年の行事となりそうです.そこで学生の発表を聞きながら,回覧でやって来た修士論文では,査読コメントとその修正のところを重点的に読みました.論文のスタイルとはまた別に,コメントのスタイルや,学生の対応の多様さを知る機会となりました.

(最終更新:2017-02-22 早朝)

*1:野暮な解説ですが「割り振ること」「割り当てること」「アサイン」はすべて同じ意味です.