その1
東京へ出張に行きました．事前に行程を考えて，関空-羽田の航路を使用しました．
羽田空港に着陸して，「ぽぉん」と音が鳴るとともに，シート着用のランプが消えたら，自分も周囲も，ベルトを外して立ち上がります*1．通路（それもなるべく出口に近いほう）に立ち，オーバーヘッドコンパートメントを開けて，荷物を取りだします．人とぶつかっても気にせず，少しでも早く出ようと，準備します．
そんなとき，"Hello,"という声がしました．男性です．そういえば離陸前に，キャビンアテンダントさんが英語で客と会話していました．
声がした方向を向くと，男性と視線が合いました．その男性は，"Sorry."と言いました．
自分も海外で，何かあって人にぶつかったときには，"Sorry."と言うことはあります．
しかしその前に"Hello"は，考えもしませんでした．「こんにちは」というよりは，「やあ」か「ああ」と同じでしょうか．
こちらは軽く会釈し，出口のほうを向き，足早に，飛行機から出ました．
その2
用務の前に，秋葉原で物品を調達する必要がありました．
なのですが，駅に着いたところで，いたたまれなくなり，構内のトイレを見つけ，男子トイレの一番奥の個室に入って，問題を解決しました．
忘れ物がないか確かめて，個室から出ると，こちらに向かって歩く人が2人います．ほぼ横並びです．
私とすれ違う直前で，背の高いほうが，背の低いほうの肩を軽く叩いて，「俺，先に並んでいたから」と言い，追い越していきました．
こういったときのひと声も，大事だなあと，どこだったかで昼食をとっていたときに，しみじみ思いました．
その3
これは何日か前，帰宅途中の出来事です．
場所は和歌山駅の9番ホーム，きしがわ線の乗り場です．ふだんは（Ingressのグリフハックができるので）車両後方に乗るのですが，何を思ったのかその日は，1両目の最も前のドアのところに立って待ち，降りる客がみな出たところで入りました．
ドアそばの座席にお尻をつけ，スマートフォンの画面を見て，グリフハックで得たアイテムを減らしていこうかなと思ったときに，立ってこちらを見る男性がいました．
「あ〜」と，声を発しました．不満なのか要望なのかも，こちらが何をすればよいかも，分かりません．もちろん面識はありません．年齢は10代，または20代だったでしょうか．
ドア近くの座席に座りたいのかなと思い，「こちらにどうぞ」と言って立ち，車両の真ん中あたりに座り直しても，またその男性が，ゆっくりと来ます．
自分一人ではどうしようもないと思い，荷物を持って車両を出て，大声で「駅員さ〜ん! すみませ〜ん!」と言ってみましたが，来る気配がありません．
きしがわ線の駅務室のそばまで行くと，3人の駅員さんが，そこにいた男性の話を聞いていました．割って入って「すみません駅員さん，知らない人が近づいてきまして」と言いながら，車両を見ると，車内でこちらを困らせた男性が，ホームをゆっくり歩いて，こちらに近づいています．
駅務室にいた男性が，「見つかりました」と言いだしました．介護人だった，というわけです．10代，または20代のほうの人は，終点の和歌山駅で降りそびれて，車内で迷ってしまったのでしょう．
自分は後方車両の，グリフハックできる場所で，グリフハックを試みると120秒の時間を置くよう表示が出て…
そこで気づきました．なぜ面識のない自分に近づいて来たのか…介護人と自分との体格が，似通っていたのでした．
*1:どこだったか，出発地も到着地も日本でないときのフライトで，機体が停止し，「ぽぉん」と鳴る前に，ベルトを外して立ち上がっている人がずいぶんといたものです．
