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デシリットルは(日本の小学校の)算数だけ?

特に良い情報源があるわけではないのですが,「デシリットル(dL)は算数でしか使わない」というのを読んだことがあります.そんなことない,こんなところで使われているんだぞと,真相究明にあたってきたわけでは,特にないのですが,調べ物をしていたとき,たまたま目にしました.

「22.血色素量が低いと献血できないのはなぜですか?」について,回答の最初の段落は「血色素とは赤血球中の鉄を含む赤いタンパクで酸素を運ぶものです。日本人の場合、血色素量の基準値は、男性の場合12.7〜17.0g/dL、女性の場合11.0〜14.8g/dLとされています。」と書かれています.血色素量の値が,1デシリットルあたりのグラム数で表されるというのです.
「血色素量」をキーワードに,検索してみると,血色素量|シスメックス プライマリケアでは「男性14〜18g/dl*1」「女性12〜16g/dl」と,また血色素量(Hb)の基準値は?低い、高い場合の原因・病気は? | 医師が教える人間ドックの評判とホントのところでは「成人男性では13-17g/dl 女性では12-15g/dl が正常と判断されます。単位は、g/dlです。」と書かれていました.
海外では,どうでしょうか.手元の英辞郎で「血色素量」を引くとhemoglobin contentと出ましたが,少し検索すると,hemoglobin concentrationのほうが一般的と分かりました.そしてHemoglobin Concentration (Hb): Reference Range, Interpretation, Collection and Panelsには,「Men: 14.0-17.5 (mean 15.7) g/dL」「Women: 12.3-15.3 (mean 13.8) g/dL 」のほか,子どもについても,基準値が「g/dL」の単位で列挙されていました.
今年の論文では,doi:10.3324/haematol.2017.169680で,「120 g.l-1」の表記が見られます.「-1」は上付きです.なので「g.l−1」は,「g/l(グラムperリットル)」と解釈すればよく,1リットルあたりのグラム数です.
これを1デシリットルあたりのグラム数に換算するには,数値を10で割るだけです.「120 g.l-1」は「12 g/dL」と等価ということです.
wikipedia:en:Hemoglobinでは,"Hemoglobin concentration measurement is among the most commonly performed blood tests (略) Results are reported in g/L, g/dL or mol/L."と書かれています.その後は,g/dLによる値が見られ,g/Lやmmol/Lによる値はカッコ書きです.
http://www.bloodjournal.org/content/108/2/777より読める記事では,"133 g/L and 145 g/L (13.3 g/dL and 14.5 g/dL)"と,g/dLのほうがカッコ書きでした.
ということで,貧血(anemiaまたはanaemia)にも関わる基準値または測定値である「血色素量」は,1デシリットルあたりのグラム数で表されることが分かりました.
このことを考慮した,学校での活用は,例えばこうでしょうか.ある情報源ではg/L,別の情報源ではg/dLで表記されているとき,「1リットルあたりのグラム数」と「1デシリットルあたりのグラム数」の意味に注意して,統一をするのです.「/(per)」は,小学校の算数の対象外ですが,総合的な学習の時間で,学んだり,データをとりまとめたりするというのは,可能なようにも思えます.
ここまで書いてから,「デシリットルは無駄」を検索してみました.なぜ算数でdL(デシリットル)を習うのですか? - 教えて!gooを見つけまして,ベストアンサーでないところに「デシリットルは,血糖値を表す際に用いられます。具体的には,mg/dL(ミリグラム毎デシリットル)の形です。医者に行けば見られると思います。」という回答がありました.

*1:使用しているブラウザ(Firefox)では,「/(スラッシュ)」と「l(小文字のエル)」が同じ字形に見えます.