昨日の出来事です.
その1
「(そろそろ,晩ごはんかな…)」
「(お,階段を昇る音がする.すえの子か…)」
「(ドアを開けて)パパぁ!」
「すえの子やな,どした」
「これかぶって!」
「鬼のお面か…お前が描いたんか?」
「そうやねん!」
「んで,耳の輪ゴムは,ママにやってもろたんやな」
「そうやで! はよかぶって!!」
「へいへい(かぶる)…こわいか?」
「おにさん! おにさん!」
「ふむぅ…写真,撮っとこか」
「あたし,とる!!」
「いやパパが撮るよ.自撮りモードにして…えい」
「鬼さん,なあ…」
「じゃあ,おりるね」
「はいはい.晩ごはんのときこれかぶって降りるからな」
数分後,ママから晩ごはんのコールがありました.すえの子が作った鬼のお面のことを,すっかり忘れて,食卓へ行きました.
その2
「はぁい,今日の晩ごはんは,ママとおばあちゃん特製の,巻き寿司です〜」
「あ〜はいはい」
「みんな,恵方を向いて食べるんやで」
「恵方って分かるか? ええ方やで」
「パパ,ボケやんといてよ!」
「あとの子か…ほな真面目にな.恵方ってのは,年によって変わるんやけど…」
「…」
「…」
「今年はどっちの方角か,知ってるか?」
「こっち!」
「こっちや!!」
「あとの子とすえの子とで,ちゃう方角を指さしおったな.しかも2人とも恵方とちゃうし」
「え? じゃあどこなん!?」
「今年の恵方は,南南東なんやが…どこか,分かるか?」
「えっと…」
「まず北を指すねん.北は,あっちな」
「あっち」
「んで北のちょうど反対が,南やんか」
「みなみ」
「南を指したところで,ちょっと左に動かしたら,そこが恵方や」
「ふぅん,わかった」
「パパあのさあ」
「すえの子やな,どした?」
「きんじょのじんじゃ〜のあるほうやろ?」
「いや,ジンジャーではなく神社やし,それは東南東の方角やし,それから,恵方どこやって聞いたときのお前の向きと,ぜんぜんちゃうやないか!」