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正方形・長方形の陣取りゲーム

いきなりですが問題です.下の絵をご覧ください.

赤チームと青チームとで,「陣取りゲーム」をします.開始時はそれぞれ,左下と右上に塗られた陣地を持っています.最も小さい正方形(絵の中に2つあります)の1辺の長さを,1mとします.全体は,横が8m,縦が6mです.
じゃんけんをして,勝ったチームは,長方形または正方形を1つ選び,自分のチームの色を塗って,陣地とします.ただし,選べる長方形または正方形は,白であり,そして,自分のチームの陣地(これまで塗った長方形または正方形のいずれか)に隣り合っているものとします.
ゲームが進行し,あるとき,観客の一人が,こう言いました.
「赤チームの陣地を並べ替えると,ちょうど3m×5mの長方形になって,青チームの陣地を並べ替えると,ちょうど4m×4mの正方形になるよ!」
どんな状況なのでしょうか.


さっそくですが元ネタです.

算数科 深い学びを実現させる理論と実践

算数科 深い学びを実現させる理論と実践

この中のpp.98-105が,第4学年の「面積」と題した実践授業の紹介で,p.100の左上に,陣取りゲームの図とルールが記されています*1

同じページに「2cm×2cmの正方形」という表記があります.また本時の展開のあとの考察(p.104)で,「今回の実践である陣取りゲームによって、単位を創り出すことになったことがよく理解されたと思う。この実践の次時で、一辺4cmの正方形と3cm×5cmの長方形の広さ比べのときに予想以上の反応を子どもたちが示すのである。」と書かれています.本文に次時の授業は明示されていませんが,「一辺4cmの正方形と3cm×5cmの長方形」をお借りし,長さはメートルに変えた上で,冒頭の問題にした次第です.
まずは,このゲームにおいて,図に出現する正方形・長方形の種類と個数を整理しておきましょう.長方形はすべて「長いほう×短いほう」に揃えておきます.

  • 正方形
    • 1m×1m…2個
    • 2m×2m…1個
  • 長方形
    • 2m×0.5m…4個
    • 4m×0.5m…2個
    • 2m×1m…4個(うち2個は赤青チームの初期陣地)
    • 3m×1m…6個
    • 4m×1m…2個

念のため,シェルで「echo '1*1*2 + 2*2*1 + 2*0.5*4 + 4*0.5*2 + 2*1*4 + 3*1*6 + 4*1*2' | bc」を実行すると,結果は「48.0」と出ました.全体は8m×6mの長方形ですので,合っています.
あとは「3m×5mの長方形」と「4m×4mの正方形」になるよう,図をコピーするとともに鉛筆を用意し,紙上に印をつけていっても,いいのですが,コンピュータ上で「色塗り」をしたいなと思いまして,SVG画像を作りました.
2種類の方法で公開しています.

前者(jsfiddleのほう)は,そのままブラウザ上で動作します.後者は(gistのほう)は,「Raw」のボタンを押すと,ソースファイルが表示されますので,これをダウンロードして,ローカルで読み出す形となります.FirefoxChromeVivaldiで動作確認をしました.
初期配置で白のところをクリックすると,白→赤→青→白→…と変化します*2.白から青に変えるには,2回,クリックします.
これを活用して,まず,「青チームの陣地を並べ替えると,ちょうど4m×4mの正方形」を作ります.こうなりました.

初期配置の長方形を90度,回転させてから,左上のくぼみにはめれば,4m×4mの正方形が得られます.
次に,「赤チームの陣地を並べ替えると,ちょうど3m×5mの長方形」のほうですが,数分の試行錯誤の結果,次のように取ればよいことが分かりました.

並べ替えると,こうなって*3,幅が3m,高さが5mなのが確認できます.

といったところで解答です.

もし自分が観客だったら,「なぜ角を取らない!」と言わずにいられない状況なのですが.

*1:最後のページによると,執筆者は山本滋基氏ですが,「授業実践は菱木温子教諭(堺市立野田小学校)によるものである。」とも記されています.

*2:色変更は,クラスの削除と追加により実現しています.https://uhyohyo.net/javascript/12_1.htmlを参照しました.

*3:この画像は,ローカルでSVGファイルを編集して作成しました.