わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

ヒボウチュウショウ,漢字で書けますか?

IPA情報処理推進機構)は毎年,『情報セキュリティ10大脅威』というのを公開しています.2018年版も,すでに読めるようになっています」

「10大脅威は,『個人』と,『組織』---企業などですね---でそれぞれ1位から10位まで,ランキングが作られています.個人の第3位は『ネット上の誹謗・中傷』で,昨年より順位を上げています.
『ネット上の誹謗・中傷』は,コンピュータウイルスに感染されたとか,不正ログインされたとかいった,犯罪被害とは別物です.ですが,ひとたび自分の身に降りかかると,その解消・解決にそれなりにコストがかかるのも,間違いではないでしょう.ネット社会における脅威の一つとして,このランキングに入っているのもなるほどと,個人的には思います.
ところで,『誹謗』と『中傷』,きちんと漢字で書けますか? そして違いを知っていますか?
もちろんパソコンでもスマートフォンでも,『ひぼう』『ちゅうしょう』と打ち込んで,変換したら,それぞれ漢字が出てはきますが,一度は手書きしてみましょう.配付資料の最終スライドに,『誹謗』と『中傷』を書く欄を設けていますので,書き込んでください.
『誹謗(ひぼう)』とは,対象(人や組織など)をけなすことを言います.ここで根拠の有無は問いません.しかるべき根拠があっても,言い換えると事実に基づいていても,相手を悪く言えば『誹謗』となるわけです.
それに対し『中傷(ちゅうしょう)』は,対象(人や組織など)について,根拠もなく悪口を言うこととなります.二字熟語を2つ合わせて,あることないこと言うのが,『誹謗中傷』というわけです.
『誹謗』の字を,じっくり見てみましょう」

「どちらも,言偏(ごんべん)です.右側,つくりですが,『誹』のほうは否定の『非』です…じゃなかった,非難の『非』です.
『謗』のつくりは…説明しにくい*1のですが、『旁』と書いて『ぼう』と読む漢字です.
この2つの漢字には,言偏であることのほかにも,共通点があります.配付資料には『けなす』と書いてありますが,『そしる』とも言います.これまた,ふだんなかなか使わない言葉なのですが,『そしる』を漢字で書くとなると,『誹る』でもいいし,『謗る』でもいいのです.
『中傷』の漢字は,『誹謗』より難しくないと思いますが,『傷』の右上に,『ちょん』と横棒,あるいはカタカナにするなら『ノー』をくっつけて書くことも,忘れないようにしましょう」

Q:セキュリティの授業で以前,漢字を詳しく見ませんでしたっけ?


Q:むかし授業を受けたことがあるのですが,「配付資料の最終スライドに,『誹謗』と『中傷』を書く欄」って,何ですか?

今年度(というか今回の授業から),「用語」というスライドを設置し,12スライド6up両面1枚の配付資料の最後に置いています.用語そのものは印刷前に空欄にしておき(というのは以前の授業でも実施していましたが),授業中に,語句を手書きしてもらいました.
今回の用語のスライドは以下のとおりです.

*1:なぜ説明しにくいのかというと,「旁」を含む熟語・用語が例示しにくいのに加えて,この字単体で訓読みが「つくり」となるためです.実際,「偏」に対し右に配置する漢字の要素を「旁」と書きます.「偏旁」と書いたら「へんぼう」と読みます.