「ママ〜?」
「…」
「ママぁ〜!!」
「うえの子よ,どした?」
「このお皿のん,ぜんぶ食べてええんかなあって,聞きたかってんけど…」
「ふむ…どうやら,うえの子一人の料理やなさそうやな,それ」
「え?」
「テーブル見てみな.その料理の入った深皿…お前が持ってるのと,あと一つだけやろ」
「…うん」
「せやからそれは,みんなで分け合って食べるもんや」
「わかった」
「ま,好きなんやったら多めにとってもええと思うが…で,何の料理なん?」
「これ?」
「ああ,ほうれん草のおひたしかいな」
「ほうれんそう?」
「せや(ここでボケよう),報告・連絡・相談の『ほうれんそう』や」
「ほうこく? れん…パパ,あと,何って?」
「ほうこく,れんらく,そうだん,な」
「あんたら何いうてんの?」
「いやほうれんそうについて語ってたんやが」
「パパそれほうれん草とちゃうで,小松菜やで」
「何と! そういう形で全否定しに来おったか!!」
「パパが勘違いしてただけやないの」