わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

大学生の学びに,色川武大!?

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ! (有斐閣アルマ)

大学生の学び・入門―大学での勉強は役に立つ! (有斐閣アルマ)

 Amazonで5冊まとめて購入し,歩いて行けるコンビニエンスストアで受け取ったうちの1冊です.
 巻末から見ていくと,人名索引に,色川武大の名前があってびっくりしました.89ページを開くと,「フォームをつくる」という小見出しに続いて,「評論家で慶應義塾大学福田和也は,作家の色川武大の言葉を借りてスランプを脱出する方法を述べている。」で文章が始まっています。このページの途中から,次のページにかけて,引用があります.
 いったん,本を読むのを止めます.色川武大で連想するのは阿佐田哲也です.wikipedia:色川武大を見ると,阿佐田が色川の筆名の一つであることを含め,詳しく書かれています.没年が1989年(平成元年)なのには驚きました(90年代と思い込んでいました).
 『大学生の学び・入門』の該当箇所に戻りまして,その引用の中に,麻雀の話が出るのか,それとも作家ですので文章作成のノウハウで収まるのかを見ていくと,まずは89ページの中には,麻雀は出現しません.
 しかしながら,「これは,色川がギャンブル,賭博で生活していたときに培った方法論です。」とありますし,「カモ」「旦那衆」「ツキにツク」「スランプ」といった,ギャンブルに大小なりとも関連する語句も見かけます.
 次のページに移ると,麻雀の言葉はないものの,「要するに,自分なりの打ち方ですね。」の文のほか,「牌」という漢字が出現します.
 これは,ダメです.声を出して笑ってしまいました.ダメといっても,大学生向けの本に麻雀のことを書いてはいけないというのではなく,麻雀を明示せずにフォームを維持すると引用しても,書かれている内容,そして書かれていない関連情報から,麻雀の話が背景にあるのが,バレバレなのです.
 子らが勉強またはお絵描きで,静かにしていて,「パパ,その本,おもしろいの?」と聞きに来るほどでした.
 冷静になって読み直します.「牌」には「やサイコロの握り方」が続きます.麻雀でもサイコロを使用しますが,勝敗に大きく影響するものではありません.むしろ,チンチロリンや丁半といった賭け事を連想しました.
 それから,「牌やサイコロの握り方」の前の行に,「盆をどう読むか」というのも書かれています.賭場の空気を読む,といった意味合いでしょうか*1
 ところで今の視点で,フォームをつくること,維持することを説こうとしたとき,ギャンブルに替えて,何にすればいいでしょうか.
 勝敗を意識し,常に勝ち続けるのがプロだというのなら,スポーツのトッププレイヤーの方法論や精神論を置くのが,一つの解となりそうです.
 また別の要素として,料理が思い浮かびました.自分自身,大学に入ったとき,学科のある先生の入学者向けメッセージの中に,「料理は工学的センスを養うのに良い」と書かれていたのでした.IHと自分用に購入した卵焼き器で,きれいに卵焼きを作れるようになったのに,実家のガスコンロと,母が長年使っている卵焼き器では話にならなかったのを,フォームや「盆をどう読むか」と結びつけるのは,良くないのかもしれませんが.

*1:「盆」に,博打や賭場の意味があるのは,https://www.weblio.jp/content/%E7%9B%86wikipedia:賭場で確認ができます.「ボンクラ」の語源 https://s.webry.info/sp/mobility-8074.at.webry.info/201610/article_2.html とも.