それはさておき…
夕食を終え,子らの会話に耳を傾けました.
「ねえ,パパぁ」と,さきの子が言い,空想話を展開させました.終わったところで,テーブルの主導権を,あとの子が握りました.虎と子どもの,追いかけっこです.
ある程度,聞いたところで,パパが尋ねました.
「えっと,もしかして学校で,『ちびくろサンボ』を読んだんか?」
この質問に,さきの子とあとの子が興奮して立ち上がり,踊りだしました.「ちびくろ~なにそれ~!?」です.うえの子とすえの子は,冷静です.
さきの子は,しばしばパパの発する,ふだん見聞きしない言葉に反応しやすい性格なので,興奮するのも理解できます.しかし,パパの発言には基本的に懐疑的なあとの子が,さきの子と同じくらい,大きな声をあげて反応したのには,聞いた方がびっくりしました.
2人が冷静になったところで,問い直すと,『ちびくろサンボ』の本を読んだわけでなく,パパの質問ではじめて,「ちびくろサンボ」というのを聞いたのでした.
絶版になったあたりのことは,ママがよく知っていたので,あとは任せました.