学内メールで,科研費公募の「制度改善等」,言い換えると昨年度からの変更点に関するアナウンスがありまして,読んでいくと,変更点の一つに軽い驚きを覚えました.
上記ページの中では,以下の事項です.
○ 昨年度公募から、研究計画調書における「研究業績」欄を「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更したことについて、変更の趣旨等が必ずしも十分に浸透しなかったことを踏まえ、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄において、適切な研究業績を応募者が選択し記載することが可能であることなど、変更等の趣旨を改めて明確にします。
「別紙」のPDFに,詳しく書かれていました.
○ 「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に研究業績を書くことができることを明確化
研究計画調書に記載する研究業績については、当該研究計画に対する研究遂行能力を有しているかを確認するためのものであることを明確化するため、審議会等における議論を経て、平成31(2019)年度公募から「研究業績」欄を「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄に変更しました。
変更後の「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄においても、研究計画に対する研究遂行能力について説明するため、適切な研究業績を応募者が選択し記載することを想定し、審議会等における問題意識や基本的考え方等についても公募要領等において示していたところですが、一部において、当該変更により「研究業績を書けなくなった」「研究業績を書かなくてよくなった」と誤って認識されるなど、変更の趣旨が十分に浸透していない点も見受けられました。
そのため、変更の趣旨を改めて周知するとともに、特に、研究計画調書上において、「応募者の研究遂行能力及び研究環境」欄の留意事項として、論文を引用する場合の記載方法の例等を記載することで、適切な研究業績を応募者が選択し記載することができることをより明確にします。
参考:基盤研究(C)の研究計画調書「3 応募者の研究遂行能力及び研究環境」より抜粋留意事項
- 研究業績(論文、著書、産業財産権、招待講演等)は、網羅的に記載するのではなく、本研究計画の実行可能性を説明する上で、その根拠となる文献等の主要なものを適宜記載すること。
- 研究業績の記述に当たっては、当該研究業績を同定するに十分な情報を記載すること。例として、学術論文の場合は論文名、著者名、掲載誌名、巻号や頁等、発表年(西暦)、著書の場合はその書誌情報、など。
- 論文は、既に掲載されているもの又は掲載が確定しているものに限って記載すること。
- 本留意事項(斜体の文書)は、研究計画調書の作成時には削除すること。
「研究業績」だった欄が,「応募者の研究遂行能力及び研究環境」に変わったことによって,申請(研究計画調書の作成)にあたり“研究業績を書けなくなった”や“研究業績を書かなくてよくなった”と考えたことがなかったので,驚いたのでした.
昨秋に提出した研究計画調書を見直したところ,留意事項の1から3に該当する書き方をとっていました.細かい違いもあり,名目上は「研究業績」ではなく「参考文献」として,「応募者の研究遂行能力及び研究環境」の最後に文献リストを載せていました.これは「研究目的、研究方法など」「本研究の着想に至った経緯など」と合わせた通し番号として,文献番号を振っていたからです.
「合わせた通し番号」というのは,こうです.「研究目的、研究方法など」では文献引用ゼロ,「本研究の着想に至った経緯など」では3件の(自分以外の)文献を引用して[1]から[3]までの番号を振り,「応募者の研究遂行能力及び研究環境」では6件の(自分が筆頭または共著の)文献を引用して[4]から[9]までの番号を振っていました.
とはいえ今年は科研の新たな申請をしない予定です.学生の協力を得ながら,着実に研究を進めていくとともに,昨年度の9~10月には申請に費やしていた時間を,授業の準備と研究成果の執筆にあてることにします.