某年月日,後期初回の某ゼミに出席しました.
発表するのはM1の3人です.
教室に入り,机の上の資料を1部ずつ,手に取りました.3人のうち2人が,同じスタイルです.A4用紙1枚に,9枚のスライドを印刷させ,両面で18スライドです.見た目から,同じ研究室なのがわかります.
その2人目の発表を聴き,学生の質問がいくつかあって,司会者が「それでは,先生からも質問をお願いします」と言ったときです.ある先生が,「最初に発表してくれた人もなんだけど,こういうのをレジュメっていうの?」と,発したのです.
学生は,レジュメとは何かを意識することなく,配付資料と同じ意味に考えていたことが露呈し,あとでMoodleに提出する際には,レジュメの形で作り直すことになりました.この先生は一切,叱りつけることがなかったものの,教室内は重苦しい雰囲気となりました.
次の質問者は,形式ではなく発表内容を問うよう努めていたものの,成果報告をする学生をエンカレッジすることが,できていなかったようにも感じられました.
いったん某ゼミを離れますと,ハンドアウトは例えば「配布物」,レジュメは「概要」と訳すことで,それぞれの違いを把握しやすくなります*1.レジュメに特化すると,例えば次のページがおすすめです.
ところで某ゼミでは,年度始めのガイダンス資料に「レジュメ」を作成するよう指示が入っていまして,その意味で,レジュメの形でない,今回のようなスライド縮刷版のハンドアウトが,この発表と質疑を通じてNGとなったわけです.
個人的に思いが重なるのは,「知識・芸術・文化情報学研究会」です.https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsik/28/5/28_2019_011/_article/-char/jaで読める記事の1ページ目に,「各発表者にはレジュメを予定参加者分だけ作成し,会場に持参してもらっている.」という記述を見つけることができます.
とはいえこの研究会では,レジュメの形式は問わないことにし,伝統的な「概要」のスタイルでも,スライドの縮刷版でも,OKとしてきました.そして自分の研究室の学生には,スライドの印刷を指示していました.
先ほどの記述は,「各発表者にはハンドアウトを予定参加者分だけ作成し...」とするほうが,現実に即していたということでもあります.
*1:現実的に,レジュメはハンドアウトに含まれる(逆は真ならず),と言いたいところですが,発表者がURLを提示するなどして「レジュメはオンラインでご覧ください」となったら,そのレジュメは(実質的あるいは伝統的な使われ方の)ハンドアウトではないことになります.
*2:「Master of Writing」の一部.目次などはhttps://www.rikkyo.ac.jp/about/activities/fd/cdshe.html.