「…おはよお」
「あとの子よ,おはようさん.せや,昨日言うてた件,見てほしいんやが」
「わかった.何見るの?」
「パパのパソコンの画面なんやが…こんなん」
「うわあ!」
「ほお,(単行本を何度も読んでいる)お前の眼ぇでも,十分な品質なんか?」
「んでな…(下にスクロールさせて)『冨岡義勇』とか『胡蝶しのぶ』とか,こんな字ぃか?」
「そうなんやで!」
「へえ.何や(書体は)3種類あるんやてな(さらに下にスクロール)」
「『筆の呼吸(こきゅう) 壱(いち)ノ型(かた)』って,何これ!?」
「ああこれなあ,パソコンで表示できる『フォント』やねん.文字の形」
「ふうん」
「(ページを最上位に戻して)3つセットで,5,500円で売ってるんやて」
「そんなんいらんわ」
「うわ,そっぽ向きおった.『百年の恋も冷める』状態やがな…」
昨日
「えっと,さきの子に,あとの子よ」
「なに,パパ?」
「どしたん?」
「今日な,ネットで気になるもんを見かけたんで,あとでお前らに見てほしいんやが」
「なになに?」
「どんなのぉ?」
「鬼滅の刃のな,フォントなんやが…」
「本!? パパ,買ったん?」
「ちゃうちゃう(さてフォントというのをどうやって説明したらいいものか…)」