職場での俺馬鹿案件です．
思うところあって，自前でメールサーバを運用しています．Ubuntuで，メール（SMTP，IMAP），ウェブ，リモートログインのサービスは，自分しかアクセスしません．主な目的は，受信メールの蓄積です．
職場の自分宛てのメールは，常用のWindows PCでThunderbirdからそこにアクセスして，読んだり検索したり，送信したりしています．このサーバが止まったときのために，OutlookのWebメールや，Gmailも併用しています．ということで，受信メールはトリプルチェックの体勢です---それでも読み飛ばしや不用意な削除をしてしまうことがあります．
Ubuntuのサーバについて，sshでログインすると，do-release-upgradeコマンドでアップグレードできるよというメッセージが表示されていたので，コマンドを実行して，18.04.5から20.04.1のアップグレードを行いました．
そうすると，Thunderbirdでメールサーバへのアクセスが，できなくなりました．アップグレード中だから，そういうこともあるかなと思いながら，ブラウザでメールを見て急ぐものがないのを確認し，授業の準備に時間をとりました．
アップグレードが完了し，サーバの再起動をしました．少し待って，sshでログインできました．しかし，メールが読めません．
試しにメールを送信してみました．何度かダイアログが表示され，失敗したかなと思ったら，Webメールのメールボックスには，入っていました．サーバのホームディレクトリのMaildirにも，ファイルが追加されていました．
再度，送信することで，ダイアログの中に，送信は成功したが云々と，書かれているのに気づきました．
送信はできるけれど，受信はできない，となると，見直しを図らないとけないのは，SMTPを担うPostfixではなく，IMAPに関するDovecotです．
しかし/var/log/mail.logやmail.errを見ても，エラーらしき記録はありません．
少し検索して，見るべきログファイルが間違っていたことに気づきました．見るべきなのは，/var/log/syslogでした．そしてDovecotのエラーが，入っていました．日時・ホスト名・プロセスIDは伏せ字にしています．
**** **** systemd[1]: Started Dovecot IMAP/POP3 email server.
**** **** dovecot[*]: doveconf: Warning: NOTE: You can get a new clean config file with: doveconf -Pn > dovecot-new.conf
**** **** dovecot[*]: doveconf: Warning: Obsolete setting in /etc/dovecot/conf.d/10-ssl.conf:47: ssl_protocols has been replaced by ssl_min_protocol
**** **** dovecot[*]: doveconf: Error: Could not find a minimum ssl_min_protocol setting from ssl_protocols = !SSLv2 !SSLv3: Unrecognized protocol 'SSLv2'
**** **** dovecot[*]: doveconf: Fatal: Error in configuration file /etc/dovecot/dovecot.conf: protocols: Unknown protocol: sieve
**** **** systemd[1]: dovecot.service: Main process exited, code=exited, status=89/n/a
**** **** systemd[1]: dovecot.service: Failed with result 'exit-cod
e'.
アップグレードに伴い，Dovecotの設定ファイルの内容が古くなったので更新せよ，というメッセージです．
書かれているとおり「doveconf -Pn > dovecot-new.conf」のコマンドを（/etc/dovecotで）実行し，これまでのdovecot.confと見比べましたが，変更の手間が大きそうに感じ，これまでのファイルを編集することにしました．
/etc/dovecot/conf.d/10-ssl.confについては，次のページが参考になりました．
「ssl_protocols = !SSLv2 !SSLv3」と書かれていた箇所をコメントにし，「ssl_min_protocol = TLSv1」を追加しました．
ですが，まだThunderbirdを使ってメールを読めません．サーバ本体を再起動しても，Thunderbirdのメール設定をいろいろ変更しても，ダメなものはダメのままです．
Thunderbird以外のMUAでやってみないといけないのか，インストールや設定が面倒だなあと思いながら，検索し直すと，気になる情報を見つけました．
サーバの/etc/dovecot/conf.d/10-auth.confを見ると，「# disable_plaintext_auth = yes」と書かれていました．先頭が「#」で，コメントとなっていますが，前後を読むとこれがデフォルト設定という意味です．
「disable_plaintext_auth = no」に変更して保存し，Dovecotを再起動…
やっと，Thunderbirdでメールが見えるようになりました．自分で送った2通のテストメールも，入っていました．至急の返信が必要なものを見つけ，対応しました．
