いきなりですが問題です.以下の並びには,丸は全部でいくつありますか.式と答えを書きましょう.
この画像の出典は,以下のp.35(夏坂哲志「算数授業における「書く」活動を考える)です*1.
- 作者:筑波大学附属小学校算数研究部
- 発売日: 2021/01/09
- メディア: Kindle版
実際には,画像のそばには,次の文章が書かれています.
4年生では,右図のように3種類の碁石を並べた図を見せて,「碁石は全部で何個でしょうか」という問題を投げかけた。(以下略)
「◎」というのは白黒ページ掲載のための文字使用であって,出題・解答としては,これも1個の丸だったのでした.
「◎」を1個と見なしたときの丸の総数を確認しておきます.上に書いた式で「2×」を取り除くと,4×4+4×3+3×4=16+12+12=40で,答えは40個というのが,まず思い浮かびます.そのほか,色(字形)を無視していずれも同等の碁石(数える対象)と考えると,7×7の中に3×3の空白の並びが見えまして,7×7-3×3=49-9=40となります.四隅の3×3-1とそれ以外,と考えたら,(3×3-1)×4+4+4=32+8=40が得られますし,再び色を無視すると,4×3-2の塊が4つと見ることもでき,そうすると(4×3-2)×4=10×4=40です.回転を認めるなら,4×4+4×3×2や4×4+3×4×2も,OKとしないといけません.
それはそれとして「3種類の碁石」は興味深いです*2.グリーン碁石の存在は,wikipedia:碁石を以前に読んでいて知っていましたが,少し調べたところ,桜色と若草色に着色した「さくらご」というのを見つけました.
「3種類の碁石」が,どこの小学校にもあるというわけではないにせよ,もしあるのなら,そこから16個・12個・12個を取り出して碁盤の上に並べれば,子どもたちの興味を引く題材*3になりそうです.
*1:https://twitter.com/takehikom/status/1348249566357975041から始まるツイートでは,同誌の他のページを取り上げています.
*2:白黒の碁石の並びに対しいくつか式を提示し「式のよみ」を問うのは,啓林館 算数用語集のhttps://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/04/page4_08.htmlで見ることができます.
*3:算数に限りません.「白・黒」の歴史や素材の違い,グリーン碁石や「さくらご」を開発した経緯を調査すれば,社会科のトピックになり得ます.「『白黒』と書くけど英語だとblack and whiteなんだよね」と言うのはどうでしょうか.