わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

○●◎

 いきなりですが問題です.以下の並びには,丸は全部でいくつありますか.式と答えを書きましょう.

f:id:takehikom:20210113052541j:plain

 この画像の出典は,以下のp.35(夏坂哲志「算数授業における「書く」活動を考える)です*1

 といったところで解答です.式は例えば,4×4+4×3+2×3×4=16+12+24=52で,答えは52個です.式のうち,最初の4×4は,(4行4列の)●の個数を,次の4×3は,(4行3列の)○の個数を,それぞれ求めます.最後に◎の個数は,3行4列ですので3×4なのですが,二重丸ひとつにつき,2個の丸がありますので,「1つ分の数×いくつ分」に基づいて2×(3×4)とし,括弧を取り除いて2×3×4と表しました.
 実際には,画像のそばには,次の文章が書かれています.

 4年生では,右図のように3種類の碁石を並べた図を見せて,「碁石は全部で何個でしょうか」という問題を投げかけた。(以下略)

 「◎」というのは白黒ページ掲載のための文字使用であって,出題・解答としては,これも1個の丸だったのでした.
 「◎」を1個と見なしたときの丸の総数を確認しておきます.上に書いた式で「2×」を取り除くと,4×4+4×3+3×4=16+12+12=40で,答えは40個というのが,まず思い浮かびます.そのほか,色(字形)を無視していずれも同等の碁石(数える対象)と考えると,7×7の中に3×3の空白の並びが見えまして,7×7-3×3=49-9=40となります.四隅の3×3-1とそれ以外,と考えたら,(3×3-1)×4+4+4=32+8=40が得られますし,再び色を無視すると,4×3-2の塊が4つと見ることもでき,そうすると(4×3-2)×4=10×4=40です.回転を認めるなら,4×4+4×3×2や4×4+3×4×2も,OKとしないといけません.
 それはそれとして「3種類の碁石」は興味深いです*2.グリーン碁石の存在は,wikipedia:碁石を以前に読んでいて知っていましたが,少し調べたところ,桜色と若草色に着色した「さくらご」というのを見つけました.

 「3種類の碁石」が,どこの小学校にもあるというわけではないにせよ,もしあるのなら,そこから16個・12個・12個を取り出して碁盤の上に並べれば,子どもたちの興味を引く題材*3になりそうです.

*1:https://twitter.com/takehikom/status/1348249566357975041から始まるツイートでは,同誌の他のページを取り上げています.

*2:白黒の碁石の並びに対しいくつか式を提示し「式のよみ」を問うのは,啓林館 算数用語集のhttps://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/sansu/WebHelp/04/page4_08.htmlで見ることができます.

*3:算数に限りません.「白・黒」の歴史や素材の違い,グリーン碁石や「さくらご」を開発した経緯を調査すれば,社会科のトピックになり得ます.「『白黒』と書くけど英語だとblack and whiteなんだよね」と言うのはどうでしょうか.