うえの子の小学校の卒業式に立ち会いました．
これから2年ごとに，さきの子・あとの子，すえの子の卒業式があって，6年後には，うえの子の高校の卒業式か，と思っていると，過去にも，2年前は，すえの子の卒園式で，さらに2年ごとに，さきの子・あとの子，うえの子の卒園式だったことに気づきました．
講堂で行われた卒業式は「つつがなく」と言ったところでしょうか．小学校に到着して，うえの子には「壇上で歩くとき，おんなじ方の手ぇと足が，同時に出ることがないようにな」と，励ましにもボケにもならない声かけをしたのですが，うえの子を含め，男女とも総じて，腕を振っていませんでした．そのように指導を受けたのかと，帰宅してから聞いたものの，「別に」の返事でした．
さて，児童退場を拍手で見送ったあと，これで参列者もおしまいというわけにいきません．児童らは教室で最後のホームルームがあり，その間，我々は講堂の正面のスクリーンを使って，制作された動画を観ました．
2枚ほど，校内の風景の写真が出てから，次のシーンは，男の子の顔写真です．下に氏名が書かれており，6年1組出席番号1番の子と分かります．氏名の文字はそのままで，顔写真が，めまぐるしく変化していきました．
順に何人かの子どもの顔写真が同じように変わっていくのを見て，モーフィングの処理がなされていると気づきました．元になるのは，1年生から6年生までの顔写真です．隣り合う学年ごとに，モーフィングを施しているのです．
成長に伴い，多くの子どもは，顔が引き締まっていきます．丸顔から細長い顔の輪郭になる子もいました．途中からメガネをかけると，これはこれで顔つきが変わります．女子では，髪型による変化も大きかったりします．
出席番号は五十音順ですので，うえの子がいつ，登場するかというのは，じゅうぶんに想像できます．さあうえの子だ，どのくらい成長したのか…
びっくりしました．ほとんど変わっていません．
もちろん，何度もじっくり見れば，どこがどう変わったかを知ることは可能でしょう．しかし1人あたり数秒で，順に児童が変わっていくという見方において，それまで見てきた中で，うえの子ほど，学年を通じて変化の少なかった子は，いなかったのです．その後，他の学級の女の子にも，同じくらいにほぼ変化なしの子が出てきました．
「ホームルームが終わりました．お迎えをお願いします」のアナウンスのあと，講堂を出て妻にそのことを言ったところ，返ってきたのは，「うえの子ちゃんは小学校1年のときから，顔が完成してたんよ」でした．
