京都市内を車で走り，七分咲きから満開の桜と，赤字の「満」の駐車場をたくさん見てから，餃子の王将に入って昼食をとりました．
6人がけの席で，自分・さきの子・すえの子が横になり，テーブルをはさんで，うえの子・ママ・あとの子の順です．
自分は定食を選びました．他はめいめい一品を，と思いきや，ママ・あとの子・すえの子が「揚げそば」を頼むことになり，3人前です．
ところで揚げそばは，餃子の王将の中でも食べるのに時間がかかりがちな一皿です．あんかけ（wikipedia:餡掛け）がとても熱いのに加え，麺が揚げられてパリッとしています．そこで，麺と餡とを馴染ませ，軟らかくしながら温度を下げる工程が必要になります．
定食をさっさと食べて，スマホアプリにも見飽きたところで，テーブルを眺めると，自分から見てもっとも遠い位置にある，あとの子が，揚げられた麺だけの状態になっています．
食べる配分を間違えて，餡と具を先に食べてしまっています．
あとの子は，隣のママの食べ終えた皿を手にしました．餡を集めて，自分の皿に入れようという作戦です．はてさて…
見ていると，思うように，餡が滑ってくれません．
箸を使って懸命に移動させていますが，箸では効率が悪すぎます．
「あのな，あとの子よ」
「なに，パパ?」
「それな，箸やのぉて，スプーン使こたほうが早いぞ」
「あ，そっか」
しかし揚げそばには，スプーン（レンゲ）がついていません．
「さきの子から，借りたらどうや」
極王天津飯を食べ終えた，さきの子のスプーンが，本人と器の間にあります．しかし手を動かそうとしません．
「あとの子よ，お前から，貸してって，頼んでみぃや」
すると，さきの子とあとの子が口を開かず，膠着状態になってしまいました．
あとの子を見るさきの子の表情は，こちらから見ることができませんでしたが，おそらく「やだ」か「くれ」のどちらか，または両方です．
あとの子の表情は，分かります．笑顔で，目をしきりに動かしています．貸してほしいと，目が言っているのです．
近郊を破ったのは，さきの子でした．「うちもほしい」と．
パパの定食で使用したスプーンを，あとの子に手渡しました．すえの子の「もう食べられやんわ」という揚げそばの皿を，さきの子がもらって，一件落着となりました．
（最終更新：2021-03-29 晩）
