わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

ドットのヘクス的配置

 いきなりですが問題です.以下の画像について,点の数を求めてください.式と答えを書きましょう.

f:id:takehikom:20210425081818p:plain

 元ネタです.Kindle版は見当たらず,Amazonで注文して取り寄せました.

 表紙裏のカラーページは,「授業場面での数学のよさ〈2年かけ算〉」*1です.3つの黒板の写真を並べていて,中段と下段が,今回の問題とその反応です.本文ではp.51(中田寿幸「対称な形の美しさ,よさに気付き使ってみる活動」)で解説されています.
 といったところで解答です.素朴な考え方は,行ごとに見ること,でしょう.線でつなぎます.

f:id:takehikom:20210425081828p:plain

 1行目は,点が8つです.2行目は,点が1つ減って7つです.3行目は,1行目と同じなので,8つです.合計すると,8+7+8=23,答えは「23こ」となります.以下,「=23」「23個」は省略します.
 点の数が横にいくつあっても計算できるよう,「かけ算」を使った式を考えてみましょう.上の図は横に引きましたが,縦に,引くこともできます.

f:id:takehikom:20210425081839p:plain

 縦に引いて,上端と下端を結んだ線は,8本あります.2点を結ぶ線が8本ということで,「1つ分の数×いくつ分=ぜんぶの数」に当てはめると,2×8=16が得られます.
 縦に結ばなかった点は,最初の求め方と同じで横につなげることにします.これは7つですので,先ほどのかけ算の結果と合わせて(総合式では),2×8+7と表せます.
 表紙裏の黒板画像には,重複*2を除いて9通りの求め方と,10を超える式が載っています.そこから2つ,画像にしてみました.期待される式はそれぞれ,2+3×7,6×3+5です

f:id:takehikom:20210425081847p:plain

f:id:takehikom:20210425081856p:plain

 本日見てきた出題(そして授業の展開)を見て,面白いと思ったことが2つあります.一つは,点の並びが長方形(アレイ)ではないということです.アレイ図 (2015.12)では名称の一つに「長方形的配列」を挙げましたが,今回はwikipedia:ヘクスにちなんで,「ヘクス的配置」と呼びたいところです.
 もう一つは,点のグルーピングの方法です.L字型アレイ*3で見てきたのは,縦方向や横方向,また任意の方法で,まとまりを「囲む」ことです.今回の元ネタに,囲む方法も載っていましたが,見た目がきれいでありません.点を線でつなげば「1つ分」になる,というのは,その授業で意図されたことだったのでしょう.
 表紙裏の一番上の黒板画像は,まったく別の並びで,○(まんじゅう)の個数を求めています.そのほか,ななめのダイヤモンド的配置がpp.18-19に,カレンダーの日付を●にしている事例がp.36に見られます.問題解決の中で,丸印などを同じ数ずつ並べる事例のは,p.9とpp.56-57です.
 本記事の点の並びの画像は,自作のRubyスクリプトSVG画像として生成してから,PNG画像に変換したものです.RubyスクリプトGistに公開しています.

*1:「よさ」についてp.32より:時苗直道によれば「よさ」は故和田義信が昭和26年学習指導要領試案においてApprexiationの訳語として日本に導入した言葉である。

*2:中段には「1/29(金)」,下段には「2/1(月)」の日付が書かれています.金曜日の授業で作成した図を,次の週の月曜日に再掲しています.

*3:https://takexikom.hatenadiary.jp/entry/2019/06/22/082913, http://tosanken.main.jp/data/jittaityousa-kousatu/h30gakuryokujittaityousa/h30jittaityousa_merged.pdf#page=7