某年月日，職場に到着して，リュックサックのサイドポケットに入れていた水筒を開け，口にすると，最初の一口だけで，口を離さずにはいられませんでした．
中のお茶が，あまりにもヌルいのです．お茶は（妻の）母に頼みっきりで，夏場は氷が入って冷たく，冬場は沸かしたてを入れてくれて温かいのですが，この日は，氷なしだったようです．
職場の自室には，小型の冷蔵庫があります．以下はイメージです．
ともあれ冷蔵庫を開けてみると…製氷スペースに，白い氷が，こびりついています．1日，停電のときには，溶けてトレイに落っこちるやつです．しかし今，この冷蔵庫の電源を切って，落とすわけにもいきません．
この氷を，外から掻き出してみよう，そして水筒に入れて冷やそうと，思い立ちました．使えそうな工具を，何日か前に室内で目にしていたのでした．
三角形に近い，剣先スコップのような工具で，氷の塊に差し込むと，先端が左や右に行ってしまって，思うように削り出せません．
もっとも効率が良かったのは，先端が二股になっている工具です．削り出した氷が，手の甲に飛ぶたびに，冷たさを感じました．水筒に，氷を入れていきました．水筒の中では，あっという間に溶けていきました．
5分ほど，頑張りました．水筒に入れることのできた氷は，5mLもあったでしょうか．
どう考えても効率が悪すぎます．ここであきらめて，水筒のフタを閉め，冷蔵庫の扉も閉めて，工具についた水滴を拭き取ってから元に戻しました．
冷やすことに失敗した水筒のお茶は，とっとと飲み干して，冷蔵庫のサイドポケットに入れていた1Lの炭酸水を，1日かけて消費しました．
