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生成系AIを使用して答案を作成してはいけない,と初回授業でアナウンス

 今週木曜から始まる,学部1年生向け情報処理科目の準備中です.昨年度の資料を少し変更して,今回,「生成系AI(CharGPTなど)を使用して答案を作成してはいけません」を追加することにしました.
 結果の丸写しだけでなく,生成系AIを使用して情報を取得し,そこから知識を得て答案を作成する作業も,現段階では行うべきではないと,考えています.
 その主な理由は,採点する側の,生成系AIを使用した答案への態勢が十分でないからです.
 「生成系AIを使用して情報を取得し,答案を作成」することで,例えば10字程度の「言い回し」を,生成結果からそのまま答案に貼り付けたとします.採点する側が,その「言い回し」を見て,大学生が(あるいは,授業課題の内容から)使用するには不適切と判断し,これが生成系AIの出力なのかと誤解すると,学生にも教員にも悲劇が訪れます.答案の他のところは学生本人が考えて書き,よく推敲した内容であったとしても,「CharGPTか何かを使用した答案なので0点」となってしまう可能性が,今はそれなりにあるのです.
 学生のみなさんには,大学から,または授業の中で,生成系AI*1の使用に関して,指示やガイドラインが出るまでは,その使用を控えることを,推奨したいと思います.
 私自身は,教材を作成して他の教員や学生に閲覧してもらう立場として,指示や,活用法を,検討中です.情報処理科目では,第4回の授業内容を作り直します.昨年度までは「検索エンジン」をテーマとしていて,その仕組みや活用法のほか,オンライン辞書や蔵書検索なども「検索すれば瞬時に答えが得られるサービス」としてそこで解説し,課題に取り組んでもらっていました.今年度は生成系AIを追加し,その活用や注意事項を説明する予定です.
 また別のアプローチとして,生成系AIに限らず,調査課題の答案を作成するのに使用したツールと,問い合わせ内容(検索フレーズ・結果を含む)をすべて記録しておき,答案と合わせて提出するというのも,有用なのではないかと考えています.答案を見て違和感を覚えた「言い回し」には,記録を通じて,その出自を辿れるようにしておくのです.もう少し練り直して,1年生以外の科目の課題で取り入れてみることにします.

*1:ただし「生成系AI」以外の名称が使われる可能性もあります.wikipedia:ChatGPTでは「人工知能チャットボット」「生成AI」と表記されています.冒頭にリンクしたuteleconのページでは,第1文に「生成系人工知能(Generative AI)」とあります.「対話型AI」もよく見かけます.