わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

1をイチイチ書いたらバツになる?

 7x-6xという式を計算した結果を「1x」と書いたら○か×かという,Xのやりとりを目にしました.発言者はいずれも自分とフォローをしておらず,また式は実際のやりとりから変更しています.

 係数に1を書いたら不正解という,全国学力テストの事例は思い浮かびませんが,ともあれ全国学力・学習状況調査のページを起点に,中学校数学の問題をざっと見ました.
 整式の計算*1により,係数が1になって「イチイチ書かない」という問題は,見つかりませんでした.
 かわりに,整式の加減により,ある文字の係数が0となり,計算結果からその文字が消滅することになる出題を見つけました.例えば,平成25年度の数学Aの大問2 (1)は「2(5x+9y)-5(2x+3y)を計算しなさい。」*2です.解説資料より,解答類型と反応率の表*3を見ると,正答の「3y」は82.1%,「x+3yなど,xを含む多項式を解答しているもの」は誤答で8.4%となっています.同じページの「(参考)」から,計算によりxが消滅するのを要請するのは,平成19年度にも出題されています.
 「2(5x+9y)-5(2x+3y)=10x+18y-10x-15y=(10-10)x+(18-15)y」まではいいとして,そのあと「=0x+3y」とし,解答欄にも「0x+3y」と書いたならば,不正解となる可能性を示唆する事例となっています---そのような解答数や割合を,知ることはできませんが.
 ついでに.

  • 「輪環(文字の循環)」は,高校数学で学びました*4が,全国学力テストの令和6年度の数学の大問6 (2)で,使われていました.解答者がそのように書くのではなく,問題文に「a+b、b+c、c+aと表される。」や「(a+b)+(b+c)+(c+a)=」が書かれていたのでした*5
  • 1をイチイチ書くのが慣例となっているのを,授業で解説しているのは,「1σ」です.wikipedia:正規分布の「標準正規分布がもつ確率密度関数のグラフ」には,「1σ」や「-1σ」が入っており,本文にも「平均μからのずれが±1σ以下の範囲にxが含まれる確率は68.27%」とあります.ただし,wikipedia:en:Normal_distributionにも同じ図はあるものの,(標準でない正規分布の)曲線では,μ+σとなっており,本文も,±1σではなく「μ-nσ」「μ+nσ」の表記です*6