某年月日,夕食のあと,2階で横になりました.
スマートフォンでセットしていたアラームより前に,自分を起こす者がいました.
妻です.横向きになって寝ていた自分の,腰元をさすっています.
「あのさあパパ」
「ん…起きなあかんか」
「寝ててええねんけど,2月になったやんか」
「せやな,2月やな」
「そろそろ,お雛さん,出さんとあかんやんか」
「お雛さんって…組み立て式の雛壇やら,あれやこれややな」
「せやねん.あれやこれや,明日,運んでくれる?」
雛段の骨組みや板や敷布,お内裏様とお雛様を筆頭に様々な雛人形と飾り物,箱に入ったお人形さん,オルゴール,なんかは,離れの間の大きな箱に入れています.例年2月上旬の休みの日に,離れから家の仏間に移動して,骨組みの組み立てと飾りつけを行い,3月3日が過ぎたら片付けます.
「あれなあ…明日,せなあかんか」
「組み立てて飾り付けるんは,ママが子どもらとするから,運ぶのはやっぱりパパにやってもらわんと」
「そう言われると,せやなあ」
「明日,出勤するの?」
「その予定やが」
「行くのを遅くして,運んどいてくれへん?」
「なるほどな…んん…いやまずい気がする」
「あかんの?」
「今晩から明日にかけて,雪が降る,言うてるやんか」
「そやね」
「そしたら,地面が凍ってたり,濡れてたりするやろ.そんなんで運んだら,すってんころりんのもとや」
「すってんころりん,ねえ…」
「明日の出勤は早めに帰ってくるんで,夕食前に運ぶっちゅうのはどうや」
「わかった」