「呼ばれたんで,晩御飯,ばんごは~ん.…」
「ん!? 席についてるのは,あとの子だけかいな」
「うまうま」
「いやいや,みんな揃って食べようや」
「うまうま」
「文句いうてもしゃあないか.今日は,おでん,それと白ごはんやな」
「そやでー」
「パパは座って,みんなを待つか.あ,お前その服」
「これ? うちのお気に入りー」
「え? 昨日それ,さきの子が着てなかったっけ?」
「そやねー.これ,モフモフで,あったかいねん」
「2人で,着回してるんかいな」
「そうじゃなくて,えっと,置いてあったから」
「(掛けてないんか…)しっかし,何か遅いな.ママは?」
「洗面所やと思うー」
「すえの子は,1階で何やら身支度してて,さきの子は,2階やな」
「そんな感じー」
「さきの子も,晩ごはんって,わかってるよな」
「うまうま」
「その相づちはどうかと思うが」
「(階段を勢いよく降りて来て)あ! やっぱりお前や!!」
「さきの子よ,台所で,いや家の中でバタバタするのは,ええことないぞ」
「その服さぁ,うちのお気に入りやねんから!」
「あたしもお気に入りですー」
「昨日,うち着てたん,知ってるやろ? 脱いで,渡してくれる?」
「いやですー」
「(さて円満に解決するのかどうか…)」
「わかったよ.汚さんといてや!」
「わかっ,はっ」
「!?」
「うーん,メガネかけてないパパの目でも,しっかり見ぇたぞ.いま,米粒,口から飛ばしてもぉたよな」
「…」
「テーブルについた分は,布巾もってきて拭きや」
「(左袖を払う)」
「あ!! そこに米粒,ついたんやな!!」
「ごめんってば」
「そんなん着れやんわ!! はよ!! 洗濯機に持ってって!!!」
「もう袖についてないねんから」
「そういう問題とちゃうわ!! ああもお…」
騒ぎを聞きつけて,ママとすえの子が来ました.渦中の服を,あとの子が脱ぎ,そのまま洗濯機に入れるわけにいかなかったので,彼女は機械のそばに置きに行きました.2人は隣り合って座ったものの互いに反対を向くようにして,めいめい食べていきました.