「じゃあ離乳食作ってくるから,それまであなた,この子の面倒見といてな」
「あいよ.さて,うちの子よ…」
「今日な,親類のおうちへ行ってきたけど,違いがあったん,知ってるか?」
「あそこへは,生まれてからお前は3べん行ったわけやが,今日と,その前とで,あちらさんのところにもお子さんがでけててやな…」
「その分,お前を見て『可愛い』って言うてくれた数が,減っとるんやで」
「初めてのときは,みんな『可愛い』言うてくれたんやがな」
「ま,『可愛い市場』に参入者現る,ちゅうとこや」
「『可愛い』と言う合計の数が,これから,増えることはないから…」
「何か新しい軸を立ててやな,例えば『賢い』とか『しっかりしてる』とか,そういうのに加えて『可愛い』って言われるように,ならんとなあ…」
「あなたまたこの子に変なこと吹き込んでるでしょ」