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macOS + UTM + Debian: (1) UTMのすすめ

 10~11月の月曜午後に開講する担当科目では,VirtualBoxDebianをゲストOSとして起動し,これを「箱庭」として,いろいろな課題に取り組んでもらいます.
 VirtualBoxについては100MBほどのファイルをダウンロードしてインストールすればいいのに対して,Debianをセットアップから行うのは手間がかかるので,教員側で仮想アプライアンスと呼ばれるファイルを作成し,受講者は約3GBのファイルを取得*1してインポートすれば使えるようにしています.「使える」について,ゲストOS内でGUI操作ができるのに加えて,CおよびC++のプログラムのコンパイルと実行,PerlPythonRubyの各スクリプトの実行のほか,Apache HTTP Serverのビルドに必要なコマンドやライブラリも取り入れています.
 利用環境は,大学のノートパソコンの詳細条件に記載された「Windows」「インテルのCPU」を前提としています.その一方で例年,数名の学生が,macOSのノートパソコンを使用しています.
 macOSのノートパソコンを使用して,この科目の課題に取り組む場合,以下より一つを選ぶことになります.

  1. 仮想化ソフトウェア(Parallels Desktop)が利用可能なら,そこでWindowsを動作させ,このWindowsを「ホストOS」と見なして,VirtualBoxのインストールや仮想アプライアンスのインポートなどを行う.
  2. インテルのCPUの場合,https://www.virtualbox.org/wiki/Downloads にて「MacOS / Intel hosts」のファイルをダウンロードしてインストールし,仮想アプライアンスのインポートを行う.
  3. UTMをインストールして,Debianのインストールとセットアップを自前で行う.
  4. Debianを利用せず,macOS標準の「ターミナル」でコマンドを実行する.

 本記事を含む一連の記事*2を通して,3番目,UTMを使用したインストールなどの手順を解説します.M1/M2(ARMアーキテクチャ)のmacOSにおいて,VirtualBoxではなくUTMを用いると安定して稼働します.自担当のほか12月以降の同じ曜日時限(主担当教員は変更)の科目でも利用可能(もちろん無料)な仮想化ソフトウェアであり,takehikomが保有するMacbook Airでも,Debian 12がGUIで動作しています.
 環境構築にあたっては以下のページを参考にしました.

 Ubuntuのかわりに,Debian 12のネットワークインストール用ISOイメージを使用します.作業の前にダウンロードするファイルは,UTM.dmg(233MB)とdebian-12.1.0-arm64-netinst.iso(524MB)の2つとなります.Debianのインストール中にも通信が行われます.学外(自宅など)で実施するといいでしょう.

*1:ギガファイル便より,期間限定でダウンロード可能にしています.対面型授業となった今年度は,第1回授業でUSBメモリを回覧させ,そこから,VirtualBoxインストーラ,仮想アプライアンスのファイル,それとVirtualBoxバージョン7より必要となった「Microsoft Visual C++ 2019 再配布可能パッケージ」のインストーラをコピーしてもらいました.再配布可能パッケージについては https://1nux.com/archives/318 で分かりやすく解説されています.

*2:内容は,すでに授業履修者限定で,科目のMoodleコース内で読めるようにしています.