スピーチ案
多忙な3月・4月の行事を乗り越えて,ふと思ったのは,確かに国際会議で口頭発表するのは重要なイベントではありましたが,それでおしまい,というわけではなかったということです.
言ってみれば,自分のしたことは,RPGではなく,音ゲーのようなものでした.
RPG(ロールプレイングゲーム)で日本を代表するものと言えば,ドラゴンクエストでしょう.確か1986年ですから…みなさんが生まれたか生まれる前かといったところですね.最後の敵,「ラスボス」に勝つべく,経験値を積んでレベルアップをし,武器やアイテムを揃えて挑み,勝利すればエンディング,です.
しかし3月・4月の私は,決してそうではなかったのです.音ゲーでした.
音ゲーで世の中にインパクトを与えたものに,Dance Dance Revolution,DDRがあります.タイミング良く上下左右*1の矢印パネルを「踏む」ことが必要となります.踏み溜め,なんてのはできません.体力だけではダメ,音楽的素養だけではダメでした.
音ゲーにもクリアだとかエンディングだとか,ボス曲と言われるものもあったりしますが,1曲終われば次の曲となります.1曲の中でも,DDRだったら矢印をどのように踏むかが思案のしどころで,どうも難しいときには,タイミングを少々ずらしたり,ときには意図的に踏まなかったりすることで,乗り切ります*2.
しかし,放置が多すぎると,途中終了になりますし,一応クリアできたけれどスコアが低くて不満,なんてことだってあり得ます.
まとめとして言い直すと,こうです.4月上旬の国際会議発表は,自分にとって大きなイベントなのでしたが,その準備だけをしていればいいというわけにはいかず,他のことも,そして発表準備も,小分けにして,DDRの矢印のように並列にして処理していきました.このやり方のおかげで,発表を終えて無事に帰国したあと,授業にも,研究室の学生指導にも,そして自身のこれからの研究にも,引き続き取り組んでいけるのです.
何をしたか
某ゼミで,数年ぶりに教員発表が組み込まれ,今週水曜日,20分の時間をいただいてしゃべりました.
聞き手は基本的にマスターコースの大学院生ですが,先生方も聴かれます.私も,他の先生方のお話は楽しみでした.
私に関しては,スペイン行きで関係各位にご迷惑をかけたこともあり,スクリーンを介した報告として,そしてもちろん,海外で発表できると楽しいよというのを学生に伝えようという意図もこめて,プレゼンの準備をしました.
元ネタ
発表スライドは事情により非公開なのですが,作るに当たって調べたこと,念頭に置いたことを並べておきます.
- WEBIST 2010:参加した国際会議
- スペイン 地図
- tramontana = アルプスおろし
- wikipedia:芸術科学都市:日本では,芸術と科学を結びつけようという話を聞きませんね….「・」をめぐる問題
- JCKBSE’10.今年はリトアニア.2年前はギリシアのピレウス.[ギリシア]
- Schedule Watcher
- [zjs]
- サロゲートペア入門:CodeZine(コードジン)
- [nlmate]
- RubyのTest::Unitについて:library test/unit,プログラミングWiki - (Test::Unit)チュートリアル
- RPG < wikipedia:ロールプレイングゲーム,音ゲー < wikipedia:音楽ゲーム
- まとめで使用した一コマ
- あなたもメンター
秘話
- 前日の研究室限定のゼミで,8割がた同じ内容でしゃべりました.発表練習ではなく,研究室の学生にも知ってもらおうということです.可能な限り脱線をしたので,50分ほどかかりました.質疑はせず,用紙に書いてもらい,翌日メールで回答しました.
- 日本とスペインを結ぶ飛行機の直行便はなく,関空からアムステルダム経由でバルセロナに入り,そこからバレンシアまではRenfeの特急を使いました.学会の開催があと1週間遅かったら,火山灰の影響で,おそらく帰りのバルセロナで足止めを食らっていたでしょうね.
- 4月1日掲載の論文について,とっかかりのアドバイスをいただいた一人は,おととし9月のFITで学生が発表したときの,座長さんでした.その座長さんは当時,本学の別部局に所属していまして,その部局の仕事でよく顔を合わせていましたし,専門も知ってはいましたが,学会発表の場でというのは予想外でした.昨年4月に大学を移られています.
- まとめのコマは,研究室ゼミではりゅうおう第2形態とV[ANOTHER],某ゼミではりゅうおう第2形態とPARANOIA Survivorの中から選び,両方に出席した人にも飽きないようにしてみました.
- なんでV[ANOTHER]とPARANOIA Survivorを持ってきたかというと,前者は自分が一生かけても無理というのの代表で,後者(のEXPERT)は昨年からの自身の課題曲なのでした.PARANOIA Survivorは,Youtubeでいくつか視聴して,そのあとゲームセンターに行って試したら,クリアはまだまだですが進度(何秒もったか)を更新することができました.
- 最後のスライド*3に,昼食の食事の写真を貼りました.あれが発表した直後だったら,本当に素晴らしかったのですが,実際には翌日のでした*4.
- 3月のプログラミングは,こんな感じ.全部Ruby.
- 第1〜2週:国際会議投稿に出すための成果を作るため,闇雲にコーディング.
- 13〜14日(土日!):突然「for文パズル」のアイデアがわき,スクリプトを書く.それでできたのがnlmate.
- 3週:4月からの授業の資料作成支援となるアプリケーションを作る.前年度のは,Cのソースを変えたあとに,一つ処理をしてからでないと,資料(課題文のDVIだとかPDFだとか)に反映しないという問題があった.misc.styを外から入手して組み込んで,解決を試みる.
- 20〜24日:研究室旅行などもあり,お休み
- その後,月末まで:国際会議投稿用のを含め,プログラムを仕上げる.Webのインタフェースを作る.Sinatraとか調査してみたけど,ちょっとの勉強では使えそうにになかったので,古いやり方(秘密)で作る.研究室と研究グループに,評価を依頼する.
- アプリケーションを構築するとき,今の自分はRubyとHTML+CSS+JavaScriptに慣れてしまいました.Javaで何か書けというのは,FORTRANで何か書けというくらい,過去の記憶です.Rubyのコーディングでは,オブジェクト指向プログラミングを意識してやっていますが,だからといってオブジェクト指向の考え方を十分理解しているとは思っていません.
*1:プレイヤーの視点では,「前後左右」となります.かつて6方向パネルのDDRなんてのもありました.海外には8方向パネルもあったそうですが,それは試したことがありません.
*2:リズムをとるため関係ないところを踏むだとか,左の矢印を右足でまたその逆といった足使いも,ときには効果的です.
*3:「ご清聴ありがとうございましたスライド」または"Thank you exit slide"ですね.どっちも今命名です.昔どこかの本を読んだときには,英語発表で最後に"Thank you"というのは質疑をすることなくそこでおしまい("thank you" exit)となってまずく,良い終わらせ方を考えよう,なんてのが書かれていたように記憶します.
*4:当日は,『次のセッションは定刻に開始しました.Full Paperが3人で,しかも1件,時間超過があったため,予定を10分オーバーし,昼食のパエリアにはありつけませんでした.』,http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20100409/1270757933