わさっきhb

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コンピュータ犯罪を取り締まる法律は

いきなりですが問題です.以下の文章の[A][B][C]に当てはまる語句を答えてください.同じ英字には同じ語句が入ります.

コンピュータ犯罪を取り締まる法律には,主に刑法の改正によるもののほか,[A]行為の禁止等に関する法律([A]禁止法)がある.刑法の改正により,電子計算機損壊等業務妨害,電子計算機使用詐欺,[B]等が規定されている.また[A]禁止法では,権限を持たない者がアクセスしたり,そのようなアクセスを助長したり,[C]したりすることに対する罰則などが定められている.

本日の試験問題の一部です.さっそくですが用意していた解答です.

  • [A]不正アクセス
  • [B]不正指令電磁的記録作成
  • [C]他人のパスワードを勝手に公開,販売

[A]は上記しかありません.[B]について,「不正指令電磁的記録作成等」のことが書かれているのは,刑法第168条の2です.「電磁的記録」だけだと,データを意味しますが.前に「不正指令」をつけると,コンピュータウイルスを含むマルウェアを指します.wikipedia:不正指令電磁的記録に関する罪で詳しく書かれています.
試験は自筆ノート1冊参照可としていましたが,ここまで細かいことを問うのも良くないなと思いまして,問題文は「[B]等」としています.「等」を「など」と解釈することで,刑法に書かれたコンピュータ犯罪であれば基本的にOK,刑法の字句そのものでなくてもOKとしました.授業中に話した語句だと,「サイバーポルノ」と書いても正解ということです.
[C]も上記に限らず,不正アクセス禁止法に書かれていることで(そのものでなくとも),文意が通れば正解としました.
授業でコンピュータ犯罪を扱うのは,第14回です.この回のトピックは「組織のセキュリティ」でして,まずはセキュリティポリシー,次に規格・標準(ISO 27000など),3番目にコンピュータ犯罪を取り締まる法律,そして最後に個人情報保護法という流れです.
コンピュータ犯罪の件は,昨年度までスライド1枚でしたが,今年度は,刑法の改正で1枚,不正アクセス禁止法で1枚としました.第1回授業で解説した「フィッシング(詐欺)」も不正アクセス禁止法で処罰されることを,スライドに入れ,試験でも「フィッシング」の名称と,どんな被害をもたらすのか,そして被害に遭わないためにはどうすればいいかを,穴埋めで問いました.