土曜日は,情報知識学会主催の第23回情報知識学フォーラム*1にて,「災害記事データベースシステムの検索支援について」と題してポスター発表を行いました.4ページの予稿(28巻4号)は,そのうちJ-STAGEで電子公開されます.
背景と実施内容を,簡単に記しておきます.近年,防災・減災に対する意識が高まっており,災害発生時の備えが必要となっています.研究室内にて災害記事データベースを構築し,情報収集を行うとともに検索サービスを提供しているのですが,その検索インタフェースでは,毎回,検索語を指定する必要がありました.
その手間を軽減するため,様々な単語を出現頻度に応じて大きさを変え表示する「ワードクラウド」---以前は「タグクラウド」と呼ばれていましたが,同じものです---を採用し,検索支援に適用することを試みました.試作したインタフェースでは,ワードクラウドをSVG画像として生成してページに埋め込んでいます.JavaScriptのイベント処理を介することで,利用者はワードクラウド上の文字をクリックすれば,キー入力なしで,検索が可能となるようにしました.
予稿に貼り付けた画像を使って,検索の流れを説明します.はじめに,本研究着手前の検索インタフェースです.
「検索語を入力してください」と書かれていても,何を打ち込めばいいのか,ピンと来ません.
そこでワードクラウド画像を表示させます.
上述のとおり,このインタフェース上では,ワードクラウド上の文字列をクリック(タッチパネルならタップ)すれば,検索できます.年月指定を「2018-07」に変更してから,画像内の「地震」を押すと,次のように確認画面が出ます.
「OK」のボタンを押すと,検索結果ページに移ります.
検索語は「地震」,年月指定は「2018-07」で,該当する記事は794件ありました.画像の下には,該当する上位10件の記事が表になって表示されます.
それと,ワードクラウド画像は,「地震・2018-07」の条件によるものに変わっています.「震度」が最も大きくなったのは,検索語(地震)を,画像生成処理の途中で除去しているためです.「台風」「日本」「安倍」などは,地震の関連語というよりは,2018年7月の情報ということで,多く出現したものと思われます.
画像生成はサーバサイドで行いました.SVG生成にはD3.jsを,またワードクラウド生成にはd3-cloudを使用しました.