わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

学部科目で意見交換

質問したこと

「先生の(プログラミング)演習では,先生とTA院生とのあいだで,明らかに能力の違いがあると思うのですが,授業ではどのようにされているのでしょうか?」
 いただいた回答を,自分の言葉で表すと,能力や,指導における役割の違いには十分に配慮しており,先生は課題(解くべき問題)に注力し,それに対しTAは例えば,操作やプログラム作成におけるトラブル対応を中心に関わっている,とのことでした.

コメントしたこと

「座学でしたら,試験では,授業で学んだ手法・手続きについてきちんと理解したかを,手計算を通じて確認できるような問題を出すのが適切だと思いますし,それとは別に,授業で紹介されたアルゴリズムを,Pythonその他で実現することは,先生がコードを用意されるにせよ,学生が実装するにせよ,それもアリだと思います.
 なのですがそれの『中間』のソリューションも,考えられると思うのです.具体的には,現在は,行列の積だとか固有値の計算,微積分なんかも,Webのサービスで計算してくれます.ブラウザでアクセスでき,無料です.WolframAlphaです.
 昔なら,理系では入学したら関数電卓を買って使いこなして,としていたのが,今ではこのサイトに式を放り込めば,たいてい一発で答えが得られます.それで難しいものはプログラムで書いたり,Excelで表管理したりしていくことになるのかなとも思います.
 試験で使えないのは,しっかりと学生にアナウンスした上で,例えばこのWebサービスを手計算やプログラム結果の『確かめ』に活用させる,というのはいかがでしょうか」

コメントしたこと2

「我々のメジャーの学生が,Pythonをどの科目で『使っている』かについて,知っている情報をお知らせしたいと思います.
 今年度の1年前期,情報処理Iでは,クラウドサービスの活用の一環として,大学の学術情報センターが提供している『仮想演習室』*1を,授業で使用させました.
 ブラウザ上で,Windowsのデスクトップが出ます.
 それで『ブラウザ画面の中にWindowsが出ましたね.おしまい』では面白くないので,入っているソフトウェアを調べたところ,IDLEという,Python統合開発環境がインストールされていまして,これを使って,100回,1000回,100万回ループさせて,円周率を求めるプログラムを実行させようとなりました.ソースファイルは教員側で用意し,ループ回数だけを書き換えさせました.
 1年後期,メジャー体験演習の我々の中で,Pythonをインストールさせてから,教員側で用意したプログラムとデータセットを用いて簡単な処理をさせるのに,2コマをとっています.
 2年に上がりまして,後期のネットワーク演習では,クライアント/サーバモデルに基づく通信プログラムの実行で,Cのほか,PerlPythonRubyのクライアントプログラム・サーバプログラムのソースファイルをこちらで用意して,相互にプロセス間通信をさせています.
 もう一つのメジャーの科目履修と合わせると,本当に多様な授業の中で,Pythonに触れる経験をすることが可能となります.
 そういった中で,今から言うことは異論があるかもしれませんが,Pythonを本格的に学ぶのは,一つあるいは複数の授業というよりは,研究室に入ってからのほうがいいのではないかと思っています.『その研究室で卒業研究を進めるにはPythonが必要不可欠だ』というのにも,『Pythonのスキルを身につけて就職活動などでアピールしよう』とするにも,3年後期が最適ではないかということです」

我々のメジャー? もう一つのメジャー?

 「我々のメジャー」はネットワーク情報学,「もう一つのメジャー」は知能情報学というメジャー名です.

 和歌山大学システム工学部システム工学科の学生は,1年次にはメジャーに所属せず,共通の科目で学修をしながら,各メジャーで学べることを知っていきます.なお情報処理や数学など,受講者数の多い科目は,クラスが分かれています.
 そして1年の終了時点で,10あるメジャーの中から「第1メジャー」と「第2メジャー」を選びます.理論的には10個から2つなので,第1と第2の区別にも注意して90通りとなるのですが,ネットワーク情報学を第1としたとき,多くの学生が,知能情報学を第2にしています.
 「コメントしたこと2」を含む本記事の内容は,「我々のメジャー」と「もう一つのメジャー」の教員の間でのやりとりだったのでした.