わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

学んでほしいのは「想像され力」

だいぶ前に2回,「学んでほしいのは『〜』」と題して書いたのですが,その新作です.
科学的・技術的・学術的な文章を書くときに不可欠なのが,「再現性」です.書かれている内容を読めば,その分野の標準的な能力を持つ人であれば,その記述が正しいかが再現できるように,文章を書かないといけないということです.
しかしこれは,科学・技術・学術に限りません.自分が何らかの目標に向かって苦労しているけれど,うまくいかず,周囲の人に協力を求めることは,家庭でも仕事でも,どこにでもよく見かける光景です.そのとき,説明の仕方がうまければ,聞く人読む人も,何に苦労しているかが理解でき…当事者意識sense of ownershipを持つことができ…解決策を提案しやすくなるというものです.
自分が想像するのは,想像力.自分が情報を提示することで,聞き手が想像するのは,「想像され力」と呼ぶことにしましょう*1
想像され力にせよ,再現性にせよ,基本は,「その状況と,限られたスペース*2の中で,どんな情報を出せば,理解してくれるか」を,情報を出す前によく考えることです.

*1:そういえば肩書きが「代表取締られ役」と言う友人がおったなあ….

*2:試験のような字数制限が決まっていない状況であっても,びっしり書かれた文を読まされたり,要点のつかめない長話を聞かされたりするのは,だれだって嫌なはずで,情報を最適な形で伝えるには,時間や空白の制約というのがおのずと決まると考えましょう.