いきなりですが問題です.以下について,正しい内容・表記の文章にしてください.
Jabaはプログラミング言語の一つである。1996年にSun Microsoftによりリリースされ、現在はSunを買収したOlacleが開発・提供をしている。
さっそくですが解答,といきたいのですが,正しくした文章全体に代えて,「修正前 → 修正後」で書きます.上記には,次の通り3つ,修正すべき箇所がありました.
- Jaba → Java
- Sun Microsoft → Sun Microsystems
- Olacle → Oracle
同じように要修正の文章です.
Javaのプログラムの構文は、C言語に似ている。例えばforやifなどの制御文の書式は同じであり、^は累乗演算子である。
上記は1つだけです.
例えばpublic class ClassA extends ClassB { }と書いたら、ClassAはClassBを承継したクラスとなり、2つのクラスの間でClassAはスーパークラス、ClassBはサブクラスとなる。
修正箇所は:
Javaの特徴は”Write once, run once”(一度プログラムを書けば、どこでも実行できる)という言葉に表させられている。
3つあります.
- 特徴は”Write → 特徴は“Write
- run once → run anywhere
- 表させられている → 表される
Javaのプログラムをコンパイルすると、Javaバイトコードが生成される。それをJava仮想マシン(JKM)が実行することで、Windowsをはじめ様々な計算機で動作する。
なんでJKMやねん,というツッコミが期待されます.Java Virtual Machineの頭文字です.
- JKM → JVM
Java Development Kit(JDK)とJava Runtime Environment(JRE)の違いに注意しなければならない。コンパイルコマンド(java)が含まれているのはJDKのほうである。
フルスペルが合っているかに注意を向けさせて(それらは間違っていません),修正すべきは次のところでした.
ここまで,今期のプログラミング演習科目の第1回に解いてもらった誤り訂正問題です.実際には細切れにせず1つの(多数の誤りのある)文章題を示しました.
数十名の答案を回収して,1つ1つの正誤判定をするのは,手間がかかりますし,この1個の課題で,配点は100点満点のうち1点もないので,おおむね過半数を修正していれば○,半数に満たないものは×にしました.
「正しく修正しているか」というのは,目で見て判定しないといけませんが,「修正すべき箇所を見過ごしているか」は,機械的に判定できることに気づきました.各答案をテキストファイルに保存してから,少しの時間を要してRubyスクリプトを自作し,実行したところ,最初の「Jaba → Java」の修正忘れが1名いました.スーパークラスとサブクラスの取り違えの修正忘れが,その次に少なく,忘れられている割合が最も高かったのは,Writeの前の「”」でした(96%).
第2回の授業も実施して,答案回収済みです.目で見ていき,びっくりしたものがありました.まずは誤りを入れた文章です.
Oracleが公表しているロードマップ[1]によると、Java 21について、Premier Support期限は2028年9月まで、Extended Support期限は令和31年9月までとなっている。
[1] Oracle Java SE Supportロードマップ. https://www.oracle.com/jp/java/technologies/java-se-support-lordmap.html
ロードマップのURLが間違っています.https://www.oracle.com/jp/java/technologies/java-se-support-roadmap.htmlとしないといけません.lord(領主,卿)ではなくroad(道)です.
正しいURLでアクセスし,表を参照することで,Java 21のExtended Support期限は「2031年9月」と分かります.
ということでこれまでと同じように表記すると,次のようになります.
- 令和31年 → 2031年
- lordmap → roadmap
何人かが「roadmap」ではなく「rordmap」と修正していました.そのように変更したURLも,アクセスするとエラーになりますので,間違いです.
「令和31年」を「令和13年」に換えている答案も,いくらかありました.ロードマップのページを見れば,令和の出る幕はないのですが,いやひょっとしてと思い直して確認すると,令和13年は,西暦2031年です.
「パンはパンでも食べられないパンは?」「カビの生えたパン」「…正解」という,嘉門達夫のネタを思い出しました.