「ただいまぁ．すまん，遅なった」
「あなた書店で何してたんよぉ」*1
「いや調べ物や，3分で出たし，立ち寄らんでも立ち寄っても，乗れる電車はおんなじやってんから」
「はーいはい．もう，食べてんで」
「あいよ．ジャンパーだけ脱いで，俺も食わせてもらうかな…」
「おお，ただいまやで．お前ら，おめっとさん．イスに座らせてもろて，な!」
「はい，お赤飯と，シチューね」
「ああどうも．しかしこの子らの手前，テーブルにぽっかり空きがあるなあ」
「もう食べたんよ」
「そっか．ええっと，赤飯あげるて，朝，言うてたな」
「せやねん．一口で食べられるようにして，5個ずつ作って，お皿の上に置いたら，もお手ぇでつかんで，ぱくぱく食べんねんで!」
「ほお，見てみたかったなあ」
「まだ足らんかして，せがんでるやろ」
「ああ，エサをほしがってる親鳥みたいやなあ」
「ひな鳥，ね」
「せやった．さて，ほなら…パパの赤飯を，ちょっとやろか」
「やっちゃってええよ」
「箸で，お米を2粒つまんで，さきの子に…どや，おいしいやろ」
「2粒って，少けないなあ」
「ああそんなことしてたら今度は，あとの子な．増量サービス，5粒でどうや!」
「ぱぱ，すくないってぇ」
「うえの子よ，ツッコミありがとう．満足してくれたようなんで，パパも，ありつくとするかな」
*1:野暮な解説：書店を出てバス待ちのときに，妻から電話がかかってきたのでした．バスの中なら，「バスの運転手さんに，大至急，駅へ行くよう頼んでるからな!」とボケることもできたのですが．
