「ただいまー!」
「ん,おかえり.その声は,さきの子やな」
「そうやで!」
「図書館で勉強は,はかどったか?」
「うん! 課題,できた!」
「それはよかった.ほなパパは自分の仕事をしよか(モニタに向かう)」
「今日なあ,お姉ちゃんウザいねん」
「何かあったんか(さきの子を見る)」
「これ,食べたかったんやけど」
「ポテトチップス…のりしお?」
「そうやねん…えいっ(開ける)」
「今から食うんかいな」
「ほんまは,図書館の,イートインスペースで,食べたかってんけどな.取り出したら,お姉ちゃんが,そんなんここで食べたらあかんって言いだすねん」
「食べたらあかんのかいな」
「そんなルール,ないんやけどな」
「ん~,お姉ちゃんも,ほしかったんかいな?」
「それはあると思う」
「ほな開けて,お姉ちゃんに何枚か,あげたらええやん」
「それが嫌やったんやろな」
「ほお…」
「お姉ちゃんが開けて,うちらに分け与えたかってん」
「なるほど.ところでもう1点,気になることが…と思たけど,下で声がしとるぞ」
「(下から)さきの子ちゃ~ん,晩ごはんおいでよ~」
「あーあ」
「気になったんは,そこやねん.晩ごはんの前に,ポテチ食うんかと」
「開けてしまったんよなあ」
「どっかに隠して,晩ごはんはしっかり食て,また上がってきたらええがな」
「そうする」
さきの子と入れ替わりで,ママがやって来ました.
「今度はママかいな.やなかった,子どもらのお迎えごくろうさん」
「せやねん.みんな帰ってきたし,これで酎ハイが飲めるねん」
「お迎えの前には,2人で晩ごはんで,パパだけビール飲んだもんな」
「あのさあパパ,食べるもの,ない?」
「うーん,ないなあ」
「子どもら,その辺に隠してないかなあ…あった!」
「(のりしお,や)」
「ちょっともらお.パパ,いる?」
「いや,ええよ.しかし大胆やな」
「うちが買うてあげたやつやし」
「へえ」
「戻しとこ」
10分もすると,さきの子が戻ってきました.
「もう勉強はええか」
「そうやねん,テレビ観るねん」
「まあええんとちゃうかな」
「リモコンは,ここで…それから,ポテチ!(取り出す)」
「あ~ら,ポテトチップス残してたのね.ママにちょっとくれる?」
「いいよ…はい,ママ!」
「ありがと~.さきの子ちゃん,優しいね~」