「本日の授業では,PCやスマートフォンなどから,Googleなどで検索して,情報を獲得してもかまいません.
そこで,ちょっとでもその作業効率を良くするためのヒントを,スライドにしました.
まず,授業資料に書かれているコード例を,自分のプログラムで使用したい,でも実際の使い方がよく分からないというときは,コード例の中の『クラス名』や『メソッド名』で検索することを,心がけてください.
たとえば『getElementById』(ゲットエレメントバイアイディー)は,メソッドの名前です.検索するとさまざまな情報が得られます.
『Math.sqrt』(マス・ドット・エスキューアールティー)と書いたうち,『Math』がクラスの名前で,『sqrt』はメソッドの名前です.ドットでくっつけて,何枚か前のスライドに書かれていたとおり,平方根を計算するのに使用します.sqrtは何の略かというと…あ,そういうのも検索して学んでください*1.
なお,コード例のうち『tm』や『canvas』といった,変数名では,良い結果が得られにくいと思います.変数名は,サンプルコードのために宣言されたもので,利用の範囲がきわめて限られているからです.
検索にあたって,もう一つ,知っておいてほしいことがあります.内容を鵜呑みにしないことです.
1つのページを読んで,分かった気にならず,いくつかのサイトの情報から総合的に判断する習慣をつけましょう.
基本的には,検索結果の上位から順に読んでいくので,かまいませんが,プログラミングの検索では,さらに,アドバイスをしたいと思います.他のプログラミング言語の説明は,読まないことです.
sqrtは,Cや,Javaや,Pythonなど,さまざまなプログラミング言語で利用可能な,平方根を求める関数です.ですが言語ごとに,書式---書き方,呼び出し方,結果の値の意味など---が異なっています.
今回の授業では,JavaScriptのsqrt関数の使い方を調べるようにしてください」
なにこれ
今週の授業で,スライドを新作しました.
使用する言語は,トークの最後で明らかにしていますが,プログラミングに慣れている人は,冒頭の画像を見ただけで,JavaScriptだと分かると思います.
なお,実際のスライドから,メソッド名を変更しています.オリジナルは,getElementByIdのかわりにstrokeCircleを書いていました.これはtmlib.jsを使ってキャンバス上に描画しているからです.
ほかにも
- 採点にあたっては,「機能を適切な方法(コード)で実現していること」「独自の機能を実現したこと」などを加点要素とし,「動かない*2」「読みにくい*3」を減点要素とします.何をすれば満点,という採点方法ではない点に注意し,時間いっぱいまで取り組んでください.
- canvasと綴って「キャンバス」と読みます.ただし「カンバス」「カンヴァス」と書かれることもあります.「キャンパス」はcampusです.間違えないように!
- Moodle上で,提出したHTMLファイルを開いても,動作確認はできません.同じフォルダにtmlib.jsがないためです.
- プログラミングで「UI」と書かれていたら,User Interface(ユーザインタフェース)に置き替えてください.話す人は「ユーアイ」のほか「インタフェース」と言うこともあります.
*1:「sqrt 略」で検索すると上位に出ます.
*2:実際に動かすまでもなく,見た瞬間に「これでは実行時にエラーとなるな」と判断できるコードも,答案でよく目にするのです.
*3:長ければ長いほど良いプログラム,あるいは「力作」である,という立場ではないことを,数学の答案と関連づけて,授業で補足しました.http://d.hatena.ne.jp/takehikom/20161120/1479571898で書いた「数百行のだらだらしたコード」とも関連します.