わさっきhb

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その場にいない人との対話

 新設の講義科目について,第7回の授業を終えました.
 クォーター科目で,第8回は試験ですので,「話すこと」はおしまいとなります.
 他科目の流用は,第2回まででした.年内最後の第3回と,年明けの4回分は,授業直前まで,準備に時間を要しました.
 各回で,はじめに「お話」を入れてみました.第1回は大学院科目の授業開きはで書いた通りです.ある回では,『科学者とは何か』のうち「いわゆる素人,非専門家が」から始まる段落*1を朗読しました.第7回は,「今,自分にしかできないことは何か?」をスライドに書いたあと,画面を見ずに,棺を運ぶ前にの件を話しました.
 途中の回の「お話」の1つについても,当ブログで1個の記事にしたかったのですが,授業内容とかなり関わる内容で,受講者がその記事を見て試験対策をするとなるとよくないので,試験が終わってから記事にします.
 試験問題案と解答例は,年明けすぐに公表し,第7回授業より前に少し手直ししました.
 「人文情報学概論」という名前の講義を担当し,さまざまな情報収集や「お話」の用意をしながら,考えたのは,「その場にいない人との対話」です.
 イタコに呼び寄せてもらうか何かして,第1回で取り上げた先生や,(実家の)母と,対話をしたいというわけでは,ありません.この2人については,過去のやりとりを思い出しながら,話してもよさそうなことを選んで,未来ある学生に向けて話したのでした.
 論文・書籍や,史資料の1点1点を,まずは授業で取り上げてよいか判断し,次に90分×7回の授業のどこでどのように取り上げるかを検討し,論文などはファイルに保存しておき,Webページはブックマークをフォルダ分けして整理しました.各回の授業では,時間の都合や,単純ミス(ド忘れ)により,取り上げられなかったものもありました.
 とはいえ,学生が,授業で目にした文献やデジタルコンテンツを通じて,その場にいない作成者と対話することを,意識する必要はないようにも思っています.十分に整理されていない内容を聴いてノートをとり,試験対策のため整理して,それと,レポート課題で主体的に対象を選定して実際に動かし,数千字程度の文章に仕上げて期限までに提出してくれていたら,こちらの期待するこの科目の「学び」となります*2

*1:https://takehikom.hateblo.jp/entry/20090108/1231358875

*2:成績評価・単位認定はまた別です.