「あのな…」
「なに,パパ?」
「ももたろうの歌ってあるやんか」
「あるけど」
「あの歌な,『た』のところ歌わンかったら,おもろなるんやで」
「なにそれ」
「歌うぞ…も〜もろうさん,ももろうさん♪」
「ももろうさん!? なにそれ(笑)」
「『た』を歌わんかったら,そないなんねん」
「続きな…おこしにつけ〜,きびんご〜♪」
「『だ』も,歌わへんの」
「せやねん.ちょっと冷静になったな」
「ほいでや…ひとつ〜わしに〜くさいな〜♪」
「わしなん!? くさいん!? おっかし〜(笑)」
「そんなふうに,歌詞から1文字だけ抜いて歌とたら面白なるんやで」
「ほかにあるの?」
「せやなあ…次に有名なのは,『ぞうさん』やな」
「どんなん?」
「ぞ〜おさん♪ぞ〜おさん♪」
「…」
「お〜はなが ないよね〜♪」
「え!? え!? お鼻が,ないの!?」
「せやねん,すんごい象さんやな」
「つづきは?」
「そ〜よ♪かあさんも♪ないのよ〜♪」
「お母さんもお鼻ないの!?」
「まあ言葉遊びや.…あと1曲,あったなあ」
「どんなんどんなん?」
「仰げば尊しって曲なんやが…」
「知ってるよ」
「それなら話が早い.山場のところでな.い〜ま〜〜こ〜そ〜♪」
「…」
「われ〜め〜♪」
「われ目なん!? おかしいやん!!」
「おかしい歌やなあ.くれぐれも学校で歌わんように」