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留年? 原級留置? 4年で卒業できない?

 所属メジャーで,2年生以上の各学年のガイダンスに参加しました.
 壇上で説明することはなく,先生方の話を聴き,ガイダンス後の個別の質問に答えました.自室に戻ると,学生からのメールや,他の先生からの問い合わせが届いていて,対応に追われました.
 ところでガイダンスで,何度か,「留年」の語が耳に入ってきました.
 個人的にこの言葉は誤解を招きやすいのではないかと考えています.一つは,本学では3年まではwikipedia:原級留置の制度がなく,修得単位数にかかわらず4年まで上がること,もう一つは「留年」となる理由が複数あり,学生の状況に応じた指導が難しくなる可能性があるためです.
 「留年となる理由」「学生の状況に応じた指導」という表現は,ガイダンスの中で出現しなかったものの,多くの学生は理解したはずです.標準修業年限で卒業できなかった場合(さらに,卒業研究を合格したかしなかったか),単位不足で卒業研究着手条件を満たさなかった場合,3年後期の,合格が卒業研究着手条件の一つとなる科目の履修ができなかった場合に,本人はどのような履修をすべきか,また教員はどのようにアドバイスするかが,変わってくるわけです.
 などと思いながら,PDF版の学部の履修手引を機械検索してみても,「留年」は見つかりません.単位制や,卒業要件のところを読んでも,「留年」をにおわせる表現,例えば「~の場合には卒業できない」といった書き方も,見当たりません.
 「卒業できないよ」「留年してしまうよ」といった,いわば脅しではなく,4年で卒業できない状況を本人と指導教員とで共有した上で,卒業のために何をしていけばよいかを,学生に示すようにしたいと考えています.
 この記事を書いていて,「4年で卒業できない」という表現にも,注意が必要なことに気づきました.途中に「標準修業年限」と書きましたが,学部なら「4年」が当たり前と言いたいところ,3年次編入の場合には「2年」です.大学できる期間は標準修業年限の2倍と定められている場合には,1年からの入学だと8年間,3年次編入だと4年間と,違ってきます.
 では,3年次編入の学生も考慮して「4年で卒業できない」はよくない,「標準修業年限で卒業できない」と言い換えるべきかというと,そうでもないのでした.「4年で卒業」を,「学士課程の4年間で卒業」ではなく「4年生が(または4年生になって),その年度で卒業」と解釈すればいいのです.「4年」は,「4年間」という基数の意味でも,学年(序数)の意味でも使えるのでした.
(同日夕方に,「「留年」を,どのように指導するか」からタイトルを変更しました.)