わさっきhb

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持続可能なプログラミング技能向上

昨日から後期授業が始まりました.私も,これまで金曜だった講義が月曜に移動し,1年生を前に少し緊張しながらしゃべりました.内容は昨年とほぼ同じなのですが,終わりの10分に,他の先生が安全教育をされるということで,時間の配分に苦労しました.
さて,後期も自主演習を企画することにしました.例のごとく直接リンクはしませんが,参加者募集のPDFファイルをダウンロードできるようにしています.
今回の自主演習を一言でいうと,「K&R輪講」です.本は和訳のほうを使います*1.各学生がこれまでの授業や自主演習で持っている経験を前提として,「原典」「バイブル」と言われる本を読み,より深く理解してもらおうというものです.
分担して読むだけでは面白くないので,少し工夫を試みています.サンプルコードをもとに,準備のときに「動くコード」または「代替コード」を作ることと,最終的に後輩が学習するアドバイスになるよう取りまとめること*2です.
はじめのうちは,この自主演習に,「持続可能なプログラミング技能向上」というタイトルをつけて,募集の文案を作っていました.以下の情報を参考にしています.

ただし企画するにあたり,「持続可能」の主体を,組織やソフトウェア開発プロセスではなく,個人の(プログラミング)能力に置いてみました.
従来の演習は「課題という名の,いろんな種類の種をばら撒いて,実らせる」ように見えました.これに対して,「少ない種を十分に世話して,花を咲かせて実をつけて,できた種や育て方を周りに贈る」までを支援することを考えました.
そういう方針ですが,自主演習のタイトルは,「本から学ぶCプログラミング」という,無難なものに変更しました.「持続可能」は一応問題ない*3のですが,「プログラミング技能向上」に,自分で待ったをかけましたput a stop.前期の自主演習のタイトル,「Cプログラミング技能向上」と紛らわしいからです.
前期と後期とで,自主演習の位置づけ,規模,責任の範囲が大きく異なります.前期は,学科で学生のプログラミング能力を底上げするために,複数教員が十分に準備して実施をしましたが,今回は,そこまでの重要性はなく,私の単体で思うこと,学んでもらいたいことを企画にしたというものです.参加者ゼロでも,気になりません.
ともあれ,希望者が来れば,スキルアップへ支援は惜しみません.

*1:SECOND EDITIONの原著,それとカーニハン&リッチー『プログラミング言語C』を読む (KS)も持っています.今回の自主演習に直接使うことはないでしょうけど.

*2:出典を忘れましたが,「卒業論文は,誰が読むのか―後輩である」といった趣旨の文章を読んだときは,衝撃を受けました.

*3:とはいっても,Webで見る限り,「持続可能」をタイトルにしながら,本文で「それのどこが持続可能」なんだろうと疑問を抱いた内容が,目につきました….