わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

卒業研究発表へのアドバイス

去年は,発表練習を見て - わさっきというのを書きました.今年は:

  • スライドづくり
    • 表紙に発表年月日をつけてください.フッタに,発表の名称(卒業研究発表会)と合わせて書くことをお勧めします.
    • 研究の背景の段階で,「〜の情報」という総称だけでなく,その具体例を挙げ,聴く人の想起を促しましょう.
    • 「研究の目的」と,その直前の「(既存手法などの)問題点」は,ペアになるようにしましょう.
    • ブロック矢印を書くとき,適切な位置でセンタリングさせましょう.これを確認するのは,スライドを見ながら「話す練習」をするだけでなく,それぞれのスライドを5秒間見て表示の「バランス」をチェックすることをしてみてください.
    • 「入力」や「出力」という言葉を書く代わりに,入力の具体例と出力の具体例を矢印で結ぶほうが,入出力の対応が分かりやすくなります.
    • スクリーンショットを出して,それぞれのパーツを説明するとき,パーツの拡大表示をしてください.
    • 評価を説明する最初のスライドで,具体的な評価方法の前に,評価目的を明記してください.
    • 既存手法を取り入れてシステムを構築したとき,発表で,「既存手法のどこが本システムのどこに対応するか」と「既存手法になく本システムで新規に追加したものは何か」を説明しましょう.「既存手法にあるが本システムでは採用しなかったものは何か」も合わせて書いてあるといいかもしれません.
    • 表の中で着目してほしい数値について,太字にすると,他の数値と桁が揃わなくないことがあります.そういうときは,色を変えるか,アニメーションで枠囲みにしましょう.
  • 説明
    • 文末を話すときに声がかすれないようにしましょう.
    • 作ったシステムを,どんな人がどのように使うかについて,説明できるようにしましょう.用途を明確にせよということです.
    • 研究の目的というスライドを出し,そこで同時に実施内容を言うときには,「〜をします」という未来形ではなく,「〜をしました」という完了形のほうがいいでしょう*1
    • 画面説明では,何をしている(した)かだけでなく,その画面や提供する機能で何ができるかが,聞き手に分かるように,文字や話し方を工夫してください.
    • スクリーンを指して「以下の通りです」という表現はおかしいです.「ご覧の通りです」としましょう.
    • 口頭では「援用」は使わず,「活用」にしましょう.
  • 発表心得
    • 特に卒業研究では,システム構築で考慮した点(技術的な工夫)を入れましょう.データベース設計*2,座標の算出方法,1回あたりの平均処理時間などです.
    • システム評価について,利用者評価(主観評価)以外に評価ができないか,検討してください.ログ解析などです.
    • 発表準備の段階で,これは書くほうがいいか書かないほうがいいか迷うことがあったら,書かないほうがいいでしょう*3
    • 発表練習で時間を計りますが,それはあくまで目安です*4.練習後の先生の指導により,中身がいろいろ書き換わることになります.残り時間が少ないからと,早口で話すこと,思っていたより時間に残りがあるからと,考察や今後の課題でその場で説明を付け加えることは,しないように.
    • 表紙の次に「発表の順序」を書いたのなら,その項目ごとに,話す時間を設定し(もちろん全体で所定の時間になるように),項目ごとに時計を持って一人で話してみて,内容や時間配分を調整したのち,「通し」で話して時間内に収めるようにしてみましょう.
    • スライドを削除しないといけないときは,「本研究の目的」というスライドと比較して,関連性の低いものから削除しましょう.

*1:論文では,未来形で書きます.

*2:聴く人がみなデータベースの専門家ではないのは前提としても,実体関連ダイアグラムは,1件の情報をレコードとしてどのように格納されるかを説明する際の補助資料になります.

*3:ただし,一応書いてみて先生に見てもらい,そこで捨てることを決める,というやり方を否定するものではありません.

*4:某日の練習指導で,座長の友をセットしてカウントダウンさせたのですが,ある学生の発表で残り時間0分00秒で止め,ベルが鳴らなかったというのは,研究室内の伝説になるかもしれません.