尊敬するDreamChaserさんによる,以下のエントリを読んで,自分のブログを振り返ってみました.
きりぬき
研究室生活 基礎文法最速マスター長丁場
1か月で完成させようと思っては,いけません.週単位や日単位で予定を立てて書き進めましょう.予定通りに書けなかったとき,順送りにするよりは,そこは飛ばして予定を優先させ,あとで書き足すほうが,成功しやすいです.
書いたら終わり,ではありません.自分で読み直しましょう.先生に添削(「赤入れ」とも言います)してもらう期間をとりましょう.
漢字にすべきか,ひらがなのほうがいいか,迷ったら次のルール:
- 専門用語は原則として漢字
- 形式名詞,副詞,接続詞は原則としてひらがな
後者の有名な例は「従って」です.「〜に従って」は動詞なので漢字,「したがって,〜」は接続詞なのでひらがなとします.
卒業論文 基礎文法最速マスター
卒業論文題目 基礎文法最速マスター
- これまでの研究室や学科の卒業論文の題目をざっと眺めて,使える名詞やフレーズを見つけましょう.ただし,過去の題目とまったく同じにしてはいけません.
- 「何に対して(対象)」「何を用いて(手段)」「何をしたか(実施内容)」の3点セットが基本です.実施内容は題目に必須で,対象と手段は,一方または両方を入れましょう.
- 必ず,指導教員のチェックを受けましょう.
赤入れしましょ
- Why
- 原稿の内容をよりよくするために,行います.噛み砕いて言うと,原稿が「論文」として公表され,他の人に読まれていくことを想定し,そのときに「これ,おかしいんじゃないの」と言われる可能性を減らすためです.画面で見ているだけでは見つけにくい表記ミス(フォントの不統一など)を発見しやすくすることを,理由の一つに挙げてもいいでしょう.
修士論文・卒業論文 赤入れアドバイス
- 研究対象となるXを説明する際,「Xとは何か」「Xに関わる(取り扱う,管理などをする)ものは何か」「Xはどのようにしてやりとりされるのか」の順に書いてみてください.
- 本文では原則として敬語表現を使わないようにします.「〜先生」は,「教員1名」です.「いただいた」は「得た」であり,「〜に使用していただいた」としたいところは,「〜が使用した」と書き換えましょう.
- 「背景説明」と「本研究で実施したこと」の分量の比が,いま,2:1になっていますが,逆の1:2程度にしてください.背景説明を減らすとともに,第2段落の後半は「本研究」の説明となるよう,文章を調整してください.
5W1Hとプレゼンテーション
5W1H 日本語 考え方 タイトル例 Who 誰 誰が行うか 実施者 What 何 〜とは何か 〜とは When いつ いつ行うか 〜の実行; 日程 Where どこ 何に対して行うか 〜の対象 Why なぜ なぜ〜か 〜の必要性 How どのように どのように〜を行うか 〜の手順
時間と時刻と時点
- 「時間」は,2つの時刻の差です.時間の数直線で考えたとき,区間の大きさに対応します.
- 「時刻」は今回の場合,時点のうち,時計または計算機を使って数値化できるもの,とするのがいいでしょう.
- 「時点」は,数値化できるできないに関わらず,時間の数直線上の1点に対応します.「とき」と書いてもいいと思います.
もう一つ,びっくりしたのが,数字の「1」が「I」にしか見えない点です.「1-gram」が「I-gram」に,「(T-1):1」が「(T-I):I」に見えます.
卒論発表のスライド
「Gill Sans MT」というフォントが原因です.フォント変更をするか,日本語文字の「1」を使うように伝えました.
ですが,Ex.は「例」というよりは「例題」という意味合いになります.そして,研究室の議事録にもゼミの発表にも,卒業論文にも学会発表の予稿にも,Ex.は使われません.
「例:」と書きましょう
「例:」と書くようにしましょう.「Ex.既存のサービスを調査する」は,「例:既存のサービスを調査」としてください.他の「Ex.」も,同様です.体言止めのほうがいいでしょう.
Word文書作成の小さなアドバイス2013
- 箇条書きは,Wordの箇条書き機能を利用してください.「・」から始まる行の先頭で右クリックをして,箇条書きを選択しましょう.
- 文を並べて文章にする際,“ある文の後半に挙げた名称を,直後の文の前半で詳しく書く”ようにすると,読みやすくなります.
そこで,こんな提示方法もあります:背景を過不足なく述べたら,次に,自分はそれを解くためにこうしましたと,具体的な方針や構成をズバッと言ってしまうのです.動作例だとか評価のことだとか,考察なんかも書いて,内容としてひと段落ついたところで,関連研究を挙げることにします.もちろん結論は最後に置きます.
関連研究をどこで言うか
まずはその図全体を,フルスクリーン表示にして,10秒くらい,見てください.
図の説明では一歩先を行くように
そして聴き手の立場に立って,その図をどのように見るのが自然なのかを,考えてみてください.
ただしそれは,純粋な聴き手の立場ではなく,発表するあなたの視点あるいは“思い”です.
どのように見ていけば,図全体,そして一つ一つの要素が,スムーズに理解できるだろうかを,しっかりと意識し,その見方を先導するように,しゃべってください.
「1枚もの」作成指導
- ポスターを見る人の視線の動きに配慮して,各情報を配置してください.視線の動きは大きく2種類あって,左上から右方向へ,そして左下に行って右方向へという「Z型」と,左上から下方向へ,そして右上に行って下方向へという「N型」です.N型で配置したのに,Z型で読まれると,混乱のもとなので,そうならないよう,上下に走る適切な長さの境界線を,ポスター中央に入れてください.
- 研究の目的として挙げた事項が,システム実装の中の何によって達成(課題を解決)できたかを,明記してください.その根拠・理由を示すのが困難な場合は,目的の記載に立ち返って,見直しを図ってください.
もう一つ
記事の先頭に戻ってご確認いただけるといいのですが,タイトルも,借用しました.
もし,「アドバイス一覧」と書いたら,漢数字の「一」が長音記号の「ー」と間違えられ,「あどばいす〜らん」と読めてしまってまずい,というのも,大事なところです.
昔話をひとつ:
PowerPoint 2007でスライドを作り,テーマを変更することなく,発表に使いたいことがあります.このとき,箇条書きの第2レベルの項目に,長音の「ー」や漢数字の「一」が入っていると,見栄えが良くありません.
PowerPointの第2レベルを「−」から「>」に
「−カレ−」や「−東証−」のように見えてしまうのです*1.
*1:そういえば昔,南海本線の急行には「急」と「−急−」の2種類がありました.前者は難波と和歌山市・和歌山港を結ぶ急行で,後者は,難波から,羽倉崎あるいは多奈川だったかな.でもアナウンスは同じ「急行」でした.行先と別に重要な違いがあって,「急」は春木に停まらず,「−急−」は停まるのでした.関西空港ができて空港急行の運行が始まり,「−急−」は消滅しました.