わさっきhb

大学(教育研究)とか ,親馬鹿とか,和歌山とか,とか,とか.

技術を持って問題解決に乗り込める人材を育てよう

出席し,拝聴しました.
パネルディスカッションの中で,防災に関する人材育成について,コーディネーターがパネリスト各氏に振ったところ,野田五十樹先生が,PowerPointによるスライドを提示しました*1
主要なところを書き写しました:*2

和歌山大学で担うべき教育(人材育成)機能

  • 技術を持って被災地に入り込める人材
  • 技術を受け入れられる被災自治
    • 適切な技術の使い方を理解する人材
    • 情報量を侮らない人材
  • 技術を繋ぐ人材

これは一般化して,大学の教育・研究で考慮すべきことにできそうです:

大学で担うべき研究・教育の機能

  • 技術を持って問題解決に乗り込める人材
  • 適切な技術の使い方を理解する人材
  • 情報量をコントロールできる人材
  • 技術を繋ぐ人材
    • 技術を受け入れてもらうためのコミュニケーション

補足1:学生が上記を満たす人材になるための活動が「教育」,教職員に置き換えたら「研究」.
補足2:「技術」には,情報(コンテンツ)や,既存および新規開発のシステムが含まれる.

各項目は,独立ではなく,ゆるく結びついています.例えば,自分の実績だけをひっさげて,被災地に行ったり,何らかの問題解決に携わったりするのでは,対象と手法とのミスマッチが起こりやすいですし,乗り込んだほうは満足しても相手方は不満ばかり,といった事態にもなりかねません.入り込んだり乗り込んだりする前に,利用することになる技術の精査は必要ですし,その一方で,問題に取り組む中でより良い技術(手法)に変更することも,望まれます.
研究室で確立した技術を学び,成果を仕立ててゼミで学会で発表させる/する活動は,教員として研究者として,不可欠な営みです.しかし,大学・学会に留まらず,入り込むこと乗り込むことを普段からすべきだし,学生にそういった機会を与えなければと,思い巡らせる契機となりました.


話は会場入りまでさかのぼります.
このシンポジウム,私は一人の来場者のつもりで,ビッグ愛に入りました.
空席を選んで座り,受付でもらった書類を取り出して,読んでいきながら,自分も成果を言う側の一人であったことを,思い知らされました.
というのも,プロジェクトは5つのチームに分かれており,その2番目のチームの2番目に,自分の氏名が入っていました.
パネルディスカッションに先立って行われた,各チームリーダーの成果紹介では,私が担当した「災害関連記事自動収集システム」について,プロジェクト応募時の目標設定とポンチ絵,そして成果報告が,あるスライドの左半分を占め,このパートを,リーダーの先生が1〜2分で話されていました.
成果報告はたしか,昨年末に書いてメールしたものでした.日本語が一部おかしかったのは,いたたまれない気持ちでいっぱいです.内容についても,これで終わらせずこれからもっともっと進展させ,外部に発表していくことを目指します.


昔書いたこと:

(最終更新:2014-01-28 早朝.建物→ビッグ愛)

*1:パネリスト4人のうち3人が,ノートPCを机の上に置き,見たり打ち込んだりしていました.人材育成のほか何件か,回答してほしい項目について事前相談がなされており,その際に,スクリーン表示も可と取り決めていたと思われます.

*2:配付資料にないスライドが出たとき,腕を伸ばしてデジカメで撮影している姿を,多く見かけました.