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PKIについて論述しなさい

昨日,情報セキュリティの試験を実施しました.自筆ノート1冊参照可な上に,過去問と解答はすべて公表しているので,問題作成には気を使います.
さて今年度は,最後にちょっと大きめの論述問題を課しました.設問は,本日の日記のタイトルのとおりなのですが,これだけだと,ノートにメモしたことを日本語化して並べるだけで終わってしまいそうなので,少し条件をつけました.
問題文は「以下の問いの答えを示すようにして,PKIについて論述しなさい」とし,続いて5項目の小さな問いを挙げています.
試験中に補足として,答案(論述)の中のどこかに問いの答えが入っていればよく,5項目を各順に答える必要はないし,各順に答えるだけのものは論述になっていないとして減点することを言いました.
5つの問いのうち,4つは,きちんと授業を聞き,授業スライドを見直しながらノートを作っていれば,一応は答えられるものにしています.残りの一つは「PKIは,従来の暗号技術のどんな問題点を解決するのか?」で,PKI以前の技術・技法を整理していないと*1,うまく答えられません.
この論述問題,あるいは「問い」を入れた意図は2つあります.授業を通じて学んだことを個々の知識*2として蓄積し,問題文をみてパターンマッチングを行うだけでなく,知識を組み合わせて,まとまった分量の日本語で表現できるかを,授業の総まとめとなる試験の1問にしました.
もう一つの意図は,情報工学情報科学では,それまでの技法の問題点あるいは限界があり,それを明確にした上で,問題点を解決したり限界を打ち破ったりするような新たな技法が提案されていることを,情報セキュリティという授業の範囲内ででも,気づいてほしいというものです.
いずれの意図とも,授業では力を入れて説明しませんでしたが,研究を行う際には不可欠なことです.卒業研究を進め,ゼミ発表や卒業論文のための文書を作るときに,改めて考えてくれるとありがたいです.

*1:とはいえ,PKIの説明をした回の授業スライドに書かれているのですが.

*2:セキュリティの場合は,安全性を実現する技術,安全性を損なう恐れのある脅威が含まれますが,それに限りません.